電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例9サーマルイメージ放射温度計で異常な高温が!

香川支部 さぬき事業所 山﨑 貴史

設備などの状況

ある春の晴れた日の午前中、コンクリートブロックを製造しているお客さまを訪問した時のことです。
月次点検のため、いつものように事務所で挨拶し、電気の異常がないか問診した後に、工場2階のフェンス内にある電気室で、受変電設備の外観点検とサーマルイメージ放射温度計による測定をしていました。

発見時の状況と対応

すると、電気室の奥の方で異常なまでの温度に過熱した部分が放射温度計の画面に2箇所映りました。感電しないよう気を付けながら近くまで行くと、コンデンサ用のヒューズ付き高圧負荷開閉器(以下LBS)の補助接点部分が赤く発熱し、プラスチック製の消弧室が溶けてなくなっていました。また、LBSからコンデンサまでの電線の被覆1本も熱により溶け落ちていました。「これは危ない!」と、すぐに事務所へ行き、副工場長に危険な状態であることを伝えました。一緒に現場を確認した後、停電して点検することを承諾していただきました。同時にお客さまが工事業者の手配をしました。
昼休みになり、副工場長立ち合いのもと停電してLBSを開放し点検したところ、金属の補助接点部分の刃が熱により溶けていました。他のLBSなども点検・確認したところ、異常がないことが確認できたので該当のLBSのみ開放した状態で送電・復旧しました。
原因は、工場内のコンクリート紛が長年の歳月をかけて主接点および補助接点部分に蓄積し、接触不良を起こしたものと推測されます。
LBSは経年劣化のため、以前より取り換えを依頼していました。不良となった以外のものも同じ環境下にあるため、全てのLBSとコンデンサを取り換えていただき事故の未然防止につながりました。

今後の取り組み

今回は、幸いにも異常箇所を発見し、すぐに対処できましたので大事には至りませんでした。今後も「前回、異常がなかったから今回も大丈夫」などと先入観を持たずに点検を行い、事故を未然に防止してまいりたいと思います。