電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例8なんと、ケーブルに支線が!

高知支部 保安サービス1課 近藤 雅一

設備などの状況

夏の暑さも過ぎたある秋の日、選任の電気主任技術者の方が管理している太陽光発電所の停電点検時に発見した、停電事故防止の事例です。
点検をするお客さまは、見晴らしの良い南斜面で絶景の場所に位置しています。そのため、海上から吹きつける風は日常的に強く、発電設備の保守管理にも神経を使っている場所です。

発見時の状況と対応

電気主任技術者の方により発電設備を全て停電させて、作業手順に従い点検、測定等の作業を進めていると、特別高圧のケーブルに異常な値を示すものが発見されました。
電気主任技術者の方に測定結果を報告すると、原因を特定するよう要請がありました。点検を進めていくうちに、構内コンクリート柱に架空で配線されている22kVケーブルが、柱上で支線と接触している箇所を発見しました。早速、構内コンクリート柱に昇り間近で接触箇所を点検すると、支線がケーブル外装および軟銅テープに食い込んでいました。
応急処置として、ケーブルのくせを直し、支線に当たらないよう処置をしました。支線にも保護カバーを装着し、ケーブル損傷箇所は雨水等が浸入しないようテープ巻きをしました。
後日、電気工事業者が不良のケーブルを全て取り替えました。

もう少し発見が遅れていたら、日々の強風でさらにケーブルが擦られ、支線の金属体がケーブル導体部まで達して停電事故が発生し、長期間にわたり発電がストップしてしまうところでした。「早めに発見することができて本当に良かった」と胸を撫で下ろしました。

今後の取り組み

今回の事例は、幸いにも異常箇所を早期に発見し、大事には至りませんでした。日常的な巡視点検や停電しての精密点検等、定期的に異常の有無を確認する地道な作業の積み重ねの重要性を認識し、今後も取り組んでいきます。