電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例7ブレーカーが割れている

徳島支部 徳島北事業所 勢登 亮平

設備などの状況

ある年の夏のこと。故障対応の当番で待機していると、老健施設のお客さまから「プレハブ小屋が停電している」との連絡があり、直ちに現場へ向かいました。

発見時の状況と対応

プレハブ小屋は老健施設の本館の近くではなく、少し離れた場所にあるゲートボール場横の倉庫と休憩所を兼ねた建物でした。
まず、屋内に入りスイッチを操作しても照明が点灯しないことを確認しました。
次に分電盤を点検したところ、メインブレーカーが動作し「切」の状態で、ブレーカー側面のプラスティックが破損し焼損跡もありました。投入するのは危険と判断しました。

原因は、何だろうと考えていると、「昨夜、稲光と大きな落雷音がありましたよ」と、お客さまがおっしゃいました。
小屋には雷が直撃した痕跡はなく、おそらく近くに雷が落ちたのでしょう。周囲は開けた場所であり、周辺には田畑が広がっていました。ブレーカーは、少し遠くに落ちた雷の誘導雷※によって焼損したと判断し、お客さまにはブレーカーの交換をお願いしました。
数日後、焼損したブレーカーの取り替えが完了しました。小屋の照明器具などに故障がなかったのは幸いでした。

今後の取り組み

夏場には落雷による電気設備事故が発生しやすくなります。雷害対策を完璧にすることは費用面で難しいでしょうが、重要な機器などには対策をおすすめしています。特に雷に弱い電子機器などは、低圧避雷器や耐雷トランスの設置が有効です。

※誘導雷とは、落雷があった周辺の電線など(主に金属帯)に誘導される異常な電圧や電流のことです。誘導雷は、電線やテレビのアンテナ線などを通り建物内に侵入することにより、配線器具や家電製品などを故障させます。