電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例3異常検出ランプが点灯している!

徳島支部 保安サービス2課 北岡 広幸

設備などの状況

電気主任技術者を選任されているお客さま施設で、年次点検を実施しようとしていた時のことです。
こちらの施設では、月次点検はお客さまが実施されており、当協会には毎年、年次点検のみ依頼をいただいています。今回も、電気主任技術者を交えたミーティングのあと、作業の準備をしていました。

発見時の状況と対応

お客さまの電気設備は、常用と予備の2系統の引き込みで、それぞれの高圧引込開閉器は方向性地絡継電器(DGR)付きです。電気室へ入って継電器試験の準備をしようとしていると、DGRの異常表示灯が点灯しているのに気が付きました。
常用と予備の2台とも、通常は消灯している「自己診断」「零相電流検出」「零相電圧検出」の3つの表示灯が点灯していました。この継電器が持っている零相電流・零相電圧の検出機能と自己診断機能が異常を検知したようです。
すぐに電気主任技術者へ報告したところ、年次点検には特に支障がないことから、作業は予定どおりとし、あわせて異常表示灯が点灯した原因をつきとめることになりました。
常用と予備の引込開閉器を開放して停電し、年次点検を進める一方で、高圧引込開閉器側の制御線の各抵抗を測定しました。その結果、2台とも高圧引込開閉器内の零相変流器回路に異常があると判断しました。

このままにしておくと、万一電気事故が起こった際、保護継電器が正常に動作しないため波及事故になってしまいます。お客さまには高圧引込開閉器2台の更新をおすすめしました。

後日実施された更新工事の際、撤去した高圧引込開閉器の内部をお客さまと一緒に確認してみると、零相変流器回路が焼損していました。焼損の原因は、落雷と考えられます。

今後の取り組み

今回は、機器の異常検出ランプのおかげで、大事に至る前に対応できました。雷の季節は、雷の侵入による制御回路等の故障が多くなります。点検の際は、そうしたことにも留意し、故障の早期発見に努めたいと思っています。