電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例27コンデンサーの温度を測定すると!!

徳島支部 徳島北事業所 古泉 光啓

あるお客さまの高圧受電設備で、無停電年次点検をした時のことです。

 

現場は屋外で、車も入れないような片隅にある地上設置型のキュービクルでした。高圧受電設備内をサーマルイメージ放射温度計で測定したところ、これまでの月次点検では正常だった高圧進相コンデンサーの温度が、今回は80℃と高温になっていました。季節は5月で、外気温は20℃とそこまで高くなく、高圧進相コンデンサー以外の機器は23℃前後で、いずれも正常値を示していました。

 

早速、お客さまへ「高圧進相コンデンサーが非常に高い温度になっています。停電をさせてもらい精密点検をさせていただけませんか?」とお願いし、急きょ、停電をして点検させてもらうことになりました。

 

コンデンサーの接続部の締め付け確認や高圧絶縁抵抗測定は異常がなかったものの、テスターで静電容量を測定し製造メーカーに確認すると、定格より小さい値になっていました。

 

コンデンサーの静電容量が低下するのは、経年劣化による内部素子の絶縁劣化(フィルムコンデンサーなど)や過酷な使用環境(高温・高電圧・高調波・過電流)によるストレスが主な原因と考えられます。
 これにより内部構造の変化が進行し、コンデンサー容量がさらに低下し、最終的には絶縁破壊につながり停電事故に至ります。

お客さまに「このまま使用を続けると高圧進相コンデンサーが原因で全停電を起こし電気が使えなくなるおそれがあります。」と報告したところ、すぐに業者へ改修を依頼してくださり、後日、取り替えていただけました。

今回の経験で、普段の点検から異常を見つけることがいかに重要か、また、その後の対応を迅速・適格に行うことで、停電事故の未然防止のみならず、お客さまに安心をお届けできることを改めて実感しました。
 今後も電気のホームドクターとして、ワンストップで電気設備のトラブル防止に努めていきたいと思います。