電気設備トラブル事例25三度目の正直
香川支部 保安サービス2課 森 雄嗣
■設備などの状況
とある3月の晴れた日、郊外で木工所を経営されているお客さまから「事務所の電灯分電盤の主幹漏電ブレーカーが切れて停電した」との連絡を受けて三度訪問した事例です。
■発見時の状況と対応
一度目の連絡は夕方頃で、その日の当番が現場に出向くと漏電ブレーカーの漏電表示が出ていました。そこで、絶縁抵抗測定を行いましたが測定結果は良好、電圧の値等も良好で異常はありませんでした。そのため、漏電ブレーカーを再度投入し、30分ほど使用状況を見守りましたが、異常が無かったため、しばらく様子を見ていただくようお客さまに伝え、その日は帰社しました。
数日後、同じ申し出があり、別の当番が現場に出向きましたが、一度目と同様の点検結果であったため瞬間的な漏電発生の疑いがあり、ブレーカーに漏電探査器を取り付けして帰社しました。
また数日後、三度目の同じ申し出があり、何としても今回で原因を究明しようという思いで、当番の私が訪問しました。
現場に駆け付けると、漏電探査器の反応は無し・絶縁抵抗測定でも異常がなかったため、どうしたものかと思案していたところ、社長の奥さまから「事務所の電灯分電盤の主幹漏電ブレーカーが切れると、自宅の分電盤も漏電ブレーカーが切れた」との話しがありました。この木工所は、併設されている住宅にも同じキュービクル内の同じブレーカーから自宅へ送電しています。確認してみると、どちらの分電盤の主幹漏電ブレーカーも欠相保護が動作したり漏電でブレーカーが切れると、漏電の表示が出るタイプでした。一度目と二度目の訪問時にも電圧に異常はありませんでしたが、念のため電圧を測定したところ、赤・白相間で80~100V、白・黒相間で100~120Vの電圧変動を確認しました。そこで、電源側のキュービクルを確認したところ、ブレーカーの白相端子部が焼損していました。この端子については、以前から点検担当者によって改善指摘が出されていました。
早速、その日に電気工事業者にて改修を実施しました。欠相保護装置が正常に動作していたため、過電圧で故障した機器もありませんでした。
白相の端子が加熱し、接触不良となっている
今後の取り組み
日頃から、お客さまとのコミュニケーションを大切にし、奥さまから状況が聞けたことや訪問したタイミングが良かったため、電圧変動を発見できました。電気主任技術者として、今後もさまざまな可能性を考慮しながら、広い視野で点検することを目標に取り組んでまいります。
