電気設備トラブル事例23高圧引込開閉器の制御用ケーブルが!
徳島支部 保安サービス1課 高木 宏
■設備などの状況
のどかな田園風景が広がる吉野川沿いの福祉施設に、月次点検のため訪問した際の出来事です。
■発見時の状況と対応
連絡責任者である事務長にご挨拶をし、電気設備に関して気になる点がないかお尋ねした後、点検を開始しました。
いつも通り高圧引込設備の点検を始め、引込柱を双眼鏡で点検していると、いつもと違う点に気がつきました。それは、6,600ボルトの高圧引込線に接続されている開閉器の制御用ケーブルが外れ、高圧線3本を横断する形で接触しているというものでした。これは、現状のまま放置しておくと最悪の事態が想定され、配電線事故による停電がお客さまのみならず、周囲へも及ぶと考えました。
その旨を事務長に報告したところ「改修を一任したいので、早急に手配をお願いする」とのご依頼を受けました。そして、上司に報告のうえ、出入りしている工事業者に改修を依頼しましたが、活線作業は不可能とのことでした。そのため、工事が可能な業者に連絡を取り状況を説明したところ、高所作業車を用いて対応してくれることになりました。
ほどなくして業者が到着し制御用ケーブルの改修作業に着手すると、高圧電線を絶縁シートで防護処置した後、制御用ケーブルを引込開閉器の取り付けアームにバインド線で固定し、作業は無事に終了しました。
その後、制御用ケーブルが外れた原因を調査したところ、固定していた線が経年劣化と強風の影響で外れ、高圧電線に落下したということでした。
幸いにも早期に発見できたため、短絡事故には至らず適切な対応ができました。


作業前(接触箇所)

作業後
今後の取り組み
お客さまから、改修への一連の対応を一任していただけたことに、技術者しての誇りを高く感じるとともに、今後もお客さまの課題解決に向けた対話や早期改修につながる改善提案に励み、お客さまの「相談相手」として、四国電気保安協会の名がすぐに思い浮かぶ存在であり続けたいと願います。
また、点検作業においては、五感を駆使して異常の有無を日々意識し、早期発見に努める必要があることを再確認いたしました。