電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例19点検業務の重要性を再認識

徳島支部 徳島西事業所 中村 貞博

■設備などの状況

本格的な夏の暑さが訪れ始めた7月初旬、ある病院のお客さまを担当して1年ほど過ぎた頃、電気設備の点検でお伺いした時のことです。

■発見時の状況と対応

現場に到着後、院長にあいさつをし、いつものように引き込み受電点から順次点検を実施したあと、屋外にあるキュービクルの点検を始めました。点検のため、キュービクル側面の扉を開けたところ、換気扇用電源ケーブルがぶら下がっているのを発見しました。ケーブルの結束具が経年劣化(紫外線や温湿度の変化による)により外れたのが原因のようでした。
早急にお客さまにタブレット上の写真で状況を説明し、最悪の場合には結束具から外れたケーブルが高電圧充電部に触れ、電気事故につながる恐れがあったことを伝えました。
お客さまは少し驚かれていましたが、幸いにも充電部など危険箇所との接触はなかったため、高圧保護具を着用のうえ改修していきました。充電部には接近しないよう慎重に注意を払いながら、経年劣化に強い耐候性インシュロックおよび合成繊維ヒモを使用しケーブルを固定し直しました。
お客さまへは以前から受変電設備更新の提案を行っていましたが、今回、このように危険な状況となったことで、保守点検の重要性と設備更新への理解を再認識していただくこととなりました。そして、お客さま側でも気づいたことがあれば即時ご連絡いただくよう併せてお願いしました。

今後の取り組み

今後は、他のお客さま設備でも、耐久性のない結束バンドなどを使用して配線しているところがないかを確認し、必要であれば改修提案や即時改修を行ってまいります。
また、同僚や他の電気業者様との情報共有を図ることにより、類似事例の発生防止に努め、点検業務の品質向上に取り組んでまいります。