電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例11台風の通過後に… !

徳島支部 徳島南事業所 島  康成

設備などの状況

台風が過ぎ去ったある晴れた秋の日、月次点検の際に発見した事例を紹介します。
海辺から1km程離れた場所にある工場で、台風通過後に建物の周辺に異常はないか点検をしていた時の状況です。

発見時の状況と対応

月次点検のため工場の事務所で挨拶し、問診により先日の台風で特に異常はなかったとの確認をしたのち、まず屋外の構内柱へ向かいました。すると、鉄製の貯水タンク横の四角い鉄柱が、高電圧の電気設備の構内柱へ向かって倒れ掛かっているのを発見しました。幸いにも高圧電線路に接触せず1m程の間隔が空いていました。
なぜ、こんなところに鉄柱があるのかと考えましたが、以前使われていた低圧引込用の鉄柱であることに気が付きました。現在は使用していない鉄柱が錆により腐食しており、先日の大型で猛烈な台風の強風により折れて倒れてしまったものと推察されました。高さ10m程のところの出来事で、工場の方々も見上げないと発見できないので気が付かなかったのでしょうか。

すぐに、社長にも現場を見ていただき、鉄柱を撤去する必要性を説明しました。そして、後日、高圧電線路を停電し、倒壊した鉄柱をクレーンで撤去しました。
もし、あの鉄柱が6,600Vの高圧電線路に接触し、高圧機器の破損や電線を切ってしまうようなことになっていれば大変でした。その場合、復旧するにもかなりの時間を要したであろうと考えると、特に被害もなくホッと胸を撫で下ろしました。

構内柱に向かって折れて倒れた鉄柱

錆により腐食している鉄柱

今後の取り組み

今回の事例で、点検時は現在使用している電柱だけを見るのではなく、その周辺もよく確認し、錆びている建物など、特に注意しながら点検していくことの必要性を認識し、今後も事故の未然防止に取り組んでまいります。