電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例10なんと、葛(かずら)が !

愛媛支部 保安サービス2課 太田 宏臣

設備などの状況

梅雨明けのある暑い夏の日、災害時の避難所に指定された施設に月次点検で訪問した時のことです。普段は無人の施設で点検は2カ月に1回の頻度でお伺いさせていただいています。その日も別の施設で鍵をお借りし、問診で特に異常が無いことを確認し点検へ向かいました。

発見時の状況と対応

現地に到着し、いつも通り点検に入ろうとした時、ふと、施設のフェンスに葛(かずら)が生い茂っている様子が視界に入り、いつもと違う雰囲気が漂っていました。「これはまさか、すると…?」と一抹の不安を感じながら、早歩きで構内引込柱に向かいました。予感的中です。フェンス際にある構内引込柱にも葛が巻き付き、上部の高圧引込開閉器まで到達していました。
直ちにお客さまへ報告し、現場での確認をお願いしました。このままでは高圧電気の漏電が発生し、停電事故や周辺地域を停電させる「波及事故」につながる恐れがあることをお伝えしました。早急に停電し、葛を撤去する必要があるため、停電作業の承諾をいただきました。撤去作業は高所作業となるため、直ちに事務所へ応援を要請し応援者が到着後、撤去作業に取り掛かりました。
この建物は避難施設ということもあり普段は無人です。また、構内引込柱は人目から離れた所にあり、点検は2カ月に1回であったことなど、悪条件が重なってしまいました。「あと数日発見が遅れ、停電事故や波及事故になっていたら…」「地域の皆さんが避難する設備が原因で災害時に避難できなかったとしたら…」と考えると「早目に対処することができて本当に良かった」と胸を撫で下ろしました。

今後の取り組み

今回の事例は、幸いにも異常を発見し、すぐに対処できましたので大事には至りませんでした。日頃からの巡視点検の大切さと、定期的に異常の有無を確認する地道な作業の重要性を認識し、今後も業務に取り組んでまいります。