電気設備トラブル事例

電気設備トラブル事例1キュービクル内で、まさかの誤配線!

香川支部 保安サービス2課 香西 春樹

設備などの状況

9月のある朝、新たに設置された受変電設備の竣工検査を実施した時のことです。
現地で電気工事業者さんと打ち合わせをした後、同僚と二人で作業を開始しました。

発見時の状況と対応

敷地内の片隅に設置されていたキュービクルは、省スペース型でした。限られた敷地面積で設置スペースを最小限にしたい場合など、コンパクトに機器をおさめたキュービクルが使用されることがあります。
扉を開けてみると、キュービクル内に機器がギュウギュウに配置されていました。一般的なキュービクルと違い、受電用の高圧負荷開閉器(LBS)は下向きでした。相間には絶縁バリアがあるため、狭い隙間に頭を入れて確認作業をしなければなりませんでした。

まずは手前にある変圧器から順番に点検を進め、LBSの点検をしようとした時のことです。一番見づらい場所にあった奥の相を確認しようとしたところ、何か違和感がありました。
良く見ると、手前の二相の配線は問題なかったのですが、奥の一相の配線に誤りがありました。LBS負荷側端子部から変圧器に配線すべきところ、LBS電源側端子部から配線されていたのです。
キュービクルは工場で組み立てた完成品を現場に据え付けていたので、製造工程で配線誤りがあったと考えられます。すぐに電気工事業者さんに来てもらい、接続変更をお願いして事なきを得ました。
もしこの時、配線誤りに気付かずにそのまま使用していたらと思うとゾッとします。適正な短絡・過負荷保護ができないだけでなく、万一電気事故などでLBSが動作した場合、LBSの負荷側は停電していると思い込んだ作業員が感電するおそれもありました。

今後の取り組み

竣工検査では、「耐圧試験」や「継電器試験」などの試験項目をこなすだけでなく、基本的な確認作業が大切だと改めて感じました。
これからも、お客さまの電気設備の安全を守るため、しっかり外観点検を実施いたします。