電気事故未然防止例

電気事故未然防止例228引込開閉器の異常を見逃さない!

愛媛支部 三島事業所 真鍋 忠博

設備等の状況

ある製造工場の年次点検(停電点検)を実施した時のことです。
当該お客さまの引込開閉器は製造から20年が経過しており、以前から早めの更新をおすすめしていました。

発見時の状況と対応

年次点検の中で、引込開閉器用地絡継電器の「トリップ回路の絶縁抵抗測定」を実施したところ、昨年まで50MΩ以上あった測定値が今回は15MΩと低下していました。
測定値の変化から絶縁状態に注意が必要であり、再測定を後日実施することをお客さまに報告して年次点検を終了しました。
そして、次の月次点検時に再測定を実施しましたが、やはり15MΩとなっていました。そこで、引込開閉器の内部に異常が発生している可能性が高いことをお客さまに説明し、できるだけ早く更新工事を実施してほしいとお願いしました。
その後、無事に更新工事が実施されましたが、撤去された引込開閉器の内部を確認すると、結露のように内部が濡れていました。このまま放置しておくと、絶縁抵抗がさらに低下し、高圧回路の漏電(地絡事故)に至り、波及事故にもつながるおそれがありました。
引込開閉器は、高圧で受電しているお客さまにとっては一番重要な機器でありながら、屋外の過酷な環境で使用されているため、計画的な更新が必要であることを改めて実感しました。

引込開閉器内部の状況
(内部は異常がないように見えるが、結露により濡れていた)

今後の取り組み

電気機器は、長期間使用すると経年劣化により機能や性能が徐々に損なわれ停電事故につながる恐れがあります。これからも、高圧機器の計画的な更新をお客さまにおすすめするとともに、点検時のわずかな異常も見逃すことなく、電気事故の未然防止に努めてまいります。