電気事故未然防止例

電気事故未然防止例227サーマルイメージ放射温度計で電力ヒューズの異常過熱を発見

香川支部 保安サービス 1課 吉田 誠治

設備等の状況

あるお客さまに月次点検に訪問した時の事です。
構内柱を点検の後、キュービクルへ向かい点検を始めました。

発見時の状況

各変圧器の電圧、負荷電流、漏れ電流を測定し普段と変わりないことを確認しました。
続いてサーマルイメージ放射温度計による温度測定を開始しました。順次各機器の温度測定を進め、受電用交流負荷開閉器(LBS)の温度を測定していたところ、3相ある電力ヒューズ(PF)の1相だけ100℃ぐらいの測定値が表示されました。
詳しく測定してみると、接触部ではなくヒューズ中央部付近が一番高い温度を示す状態でした。

対応および処置

このまま使用していると温度上昇により電力ヒューズが溶断(切れて)してしまうと判断したため、連絡責任者にできるだけ早い段階で停電させていただき、電力ヒューズの取り替えをしたい旨を報告しました。
連絡責任者に確認していただくと即停電は不可能であり、営業時間終了後であれば停電が可能とのことでした。
今にもヒューズが溶断するのではないかと不安を抱えながら営業終了を待つこととし、営業終了後、停電をして電力ヒューズを予備品と取り替えました。
取り替え後復電をして温度測定をしましたが、3相ともほぼ同じ測定温度でした。
万が一、発見が遅れ、電力ヒューズが溶断していたら停電あるいは欠相による低圧機器の損壊が考えられる事案でした。

原因と今後の取り組み

電力ヒューズが過熱した原因は経年劣化が考えられます。
これからもこまめに温度測定を行い、不良設備の早期発見に努めるとともに、定期的に高圧ヒューズ取り替えの提案を行うなど、電気事故を未然に防止することでお客さまに安心して電気を使用していただけるよう努めていきます。