電気事故未然防止例

電気事故未然防止例225引込ケーブル屋外端末部の経年劣化

徳島支部 保安サービス 2課 益田 英明

設備等の状況

台風襲来時に、お客さまから「引込電柱上で火花のようなものが見える」との連絡があり、現場に急行した時のことです。

発見時の状況

到着すると、引込電柱上の高圧ケーブル屋外端末部で放電しているようすが確認されました。夜間で周囲が暗く、放電の火花が目立っていたことで、お客さまの目に留まり連絡をいただいたものです。

このままでは、状態がますます悪くなると判断し、お客さまに緊急停電のお願いをして、端末部を確認することにしました。すると端末部表面にトラッキングによるものと思われる表面リーク痕がありました。高圧ケーブルは、施設後33年を経過していましたので、端末表面の劣化が原因と考えられました。また、当該施設は海岸より1km以上離れており、通常では塩害の影響はない地域ですが、発見時は台風の影響で海側からの風が強かったので、一時的な塩害の影響も考えられる状況でした。

応急措置として表面部分をテープで補修したところ、放電による火花は発生しなくなりました。そこで後日あらためて停電し、本格的に修理をすることにし、ケーブルの更新も早急に検討することとしました。お客さまからの異常を知らせる素早い連絡があったおかげで、停電事故などになる前に適切な対応をすることができ、ほっと胸をなでおろしました。

今後の取り組み

今回は、その近隣で電力柱の低圧引込み線から火が出るなどの事故もあり、一時的な塩害が起こしたものと考えられますが、経年によりケーブル端末部表面が劣化していたことが主たる原因と考えられます。今後は使用期間が長いケーブルの計画的な更新を進めていくことと、ケーブルの屋外端末部表面の劣化状況を観察し、ケーブル端末部の劣化による事故が発生しないよう努めていきます。