電気事故未然防止例

電気事故未然防止例224熱画像放射温度計により延長コードの加熱を発見

愛媛支部 西条事業所 竹岡 優介

設備の状況

あるお客さまの事務所内の低圧負荷設備を点検中のことでした。

発見時の状況

コンセントや延長コードの目視による外観点検を実施し、続いて熱画像放射温度計にて温度測定を実施したところ、ある延長コードの一部が過熱(温度計表示88.6℃)していました。このままでは危険なので、お客さまに了解を得て延長コードをコンセントから引き抜き、確認のため点検を実施しました。

原因および処置

すると、過去に延長コードを損傷させたのか、コードのテープ巻を実施しており、その部分が原因で過熱していました。この状況から察するに、コードを損傷させた際、心線にまで損傷がおよび素線が何本か断線していたことにより、損傷部分の電流の流れが悪くなり、過熱に至ったものと考えられます。また、使用機器が暖房器具であったため、延長コードに負担がかかっていたことも要因の一つと考えられます。

延長コード破損イラスト お客さまに、このまま使用した場合の危険性等を説明し、直ちにこの延長コードの使用を中止するとともに、取り替えをしていただきました。取り替え後は過熱もなく正常に使用できました。

延長コードについては、点検にお伺いする数日前に寒くなってきたため、暖房器具と一緒に出してきたとのことでした。このまま気づかずに火災等の電気事故が発生していたらと考えると、早期発見でき、ほっとしました。またお客さまにも「火災などになる前にわかってよかった」と喜んでいただけました。

今後の取り組み

テーブルタップやプラグ、コードなどにも寿命があります。点検して異常があれば、自分でテープ巻などせず、新しいものと取り替えましょう。テーブルタップ、コード、プラグが過熱していないか、コードを動かすと、使用中の電気器具がついたり消えたりしないか、プラグの抜き差しがゆるくなっていないか、プラグの栓刃の根元が変形したり焦げていないか、本体やコードに傷やひび割れがないかなど、これからも安全点検をお願いしていきます。