電気事故未然防止例

電気事故未然防止例223高圧機器は計画的に設備更新を

坂出事業所 山地 浩昌

設備等の状況

ある食品製造加工工場の年次点検(停電作業)を実施した時のことです。
当該お客さまの立地場所は、海に近い塩害地区にあり高圧受電設備は屋上に設置されていました。

発見時の状況

停電操作を開始して絶縁抵抗の測定を実施した時のことです。
以前から高圧設備の絶縁抵抗値が低かったため、絶縁抵抗測定は、高圧回路をできるだけ切り分けして測定しています。順次開閉器類を“開放”していき、受電キュービクル内の電灯変圧器用高圧カットアウト(以下PC)を“開放”した時、PC内部の刃部および刃受け部に黒く変色した箇所を発見しました。このまま使用すると接触不良により焼損する恐れがあるため、応急措置としてNo2キュービクの予備品(不使用品)と取り替えを行いました。

月次点検(通常点検)においては、過熱診断を実施していましたが、外観上も異常はなく、また電灯用変圧器の負荷状況についても、特に問題はなく、今回のような停電検査時に内部点検を実施しなければ発見できない事案でありました。

当該PCは製造年が1995年製であり、その他の高経年機器設備についても計画的に設備更新をお願いしており、当該機器も取り替えを計画していました。

電気機器は長期間使用すると、経年劣化により機能や性能が徐々に損なわれ、停電事故につながる恐れもありましたが、今回は、運よく予備のPCがあったため、即時に取り替えができ、何とか停電予定時間内で送電することができました。今回のことで、あらためて計画的な設備更新の必要性を強く感じました。

今後の取り組み

高経年機器設備は、経年劣化による事故を未然防止するため、計画的な設備更新について、引き続きお客さまに提案をしていきます。