電気事故未然防止例

電気事故未然防止例222ゆるみがない電線端子の接触不良を発見!

中村事業所 隅田 誠一

設備等の状況

ある学校の付属設備、低圧電灯分電盤を点検中のことでした。

発見時の状況

熱画像温度計にて電線端子の接触部分を温度測定中、一部分が他の端子より10℃程高温になっている所がありました。端子を締め付けているナットや電線の圧縮部分にゆるみはありません。また、端子を流れる電流も数アンペア程度しか流れておらず電線や端子の大きさから過熱することは考えられませんでした。

お客さまへすぐ報告し、停電の上精密点検をすることとなりました。

  1. 端子の状況
    電線端子を電源バーから外し、端子を観察しました。すると表面が酸化し変色、また手触りがザラザラとしていました。すぐに新品の電線端子に取り替え復旧させました。
  2. 過熱に至る経緯
    電線端子の状況から、接触面の電気抵抗が増加し「接触不良→過熱」に至ったと考えられました。

当設備は約30年経過し、また電気室(キュービクル)は屋外に設置されております。夏季等の高温となる場合は、電気室内換気扇が自動的に運転を開始し室内温度を低下させています。しかしながら、外気の湿気および塵埃等も一緒に吸い込むことにもなり金属部の劣化を招く原因にもなります。

今後の取り組み

当協会では数年前より、温度変化を画像として表示する熱画像温度計が全職員に配備されております。今回のように少しでも他の設備と温度変化がある場合、簡単に識別することが可能となりました。

また、設置されて相当年数経過した電気設備につきましては、このような経年劣化が考えられるため、お客さまへ設備更新をお願いしている所であります。

お客さまの財産である電気設備の異変を一早く発見し、お客さま設備の急な停電や停止を未然に防ぐようこれからも努めて参ります。