電気事故未然防止例

電気事故未然防止例218目視ではわからない過熱を発見

須崎事業所 山田 一雅

設備等の状況

小学校にある太陽電池発電設備を点検していた時のことです。

発見時の状況

夏の暑い時期でした。電気設備の年次点検と太陽電池発電設備の点検のためにお客さまを訪問しました。お客さまに挨拶をし、停電しての年次点検を無事終わらせた後に、太陽電池発電設備の点検に取り掛かりました。まず、パワーコンディショナー等の点検を済ませましたが、発電状態は良好で特に異常はなく、太陽電池パネルの点検に移りました。

太陽電池パネルは屋上に設置されているので、屋上に上がり太陽電池パネルを点検していました。目視点検で太陽電池パネルにひび割れや破損等の異常がないか注視しながら、太陽電池パネルを見ていました。すべての太陽電池パネルを見て回った結果、目視点検では異常は見当たりませんでした。次に熱画像診断機器を使って点検をしようと、機器を取り出してパネルに向けました。全体を見渡していると一部が赤く過熱しているような画像が表示されました。「ん?」と思って近づいて行くとやはりその部分が赤く表示されました。その場所を熱画像診断機器で測ってみると1つのセルのみ110℃まで過熱していました。周りのセルの温度を測ってみると47℃位で、明らかにそのセルが異常であるとわかりました。目視では、注意深く見ても少し茶色に変色している程度でした。この時、「これは目視の点検だけでは異常は見つけられないなぁ」と熱画像診断機器での測定の大切さを思い知らされました。

屋上であるということもあり、異常箇所をカメラと熱画像診断機器の両方で撮影をして、お客さまに状況を報告することにしました。このまま使用していると焼損や火災になることをお客さまに説明をして、早期改修のお願いをしました。

今後の取り組み

最近は、太陽電池発電設備が普及しており、日常の巡視点検はもちろんのことですが、専用機器を使って点検をすることにより、危険な状態の早期発見に繋がるということをお客さまにも理解していただきました。これからも目と先進機器の両方で、事故の未然防止と発電量維持のために点検を行ってまいります。