電気事故未然防止例

電気事故未然防止例216停電による年次点検は重要です

愛媛支部 保安サービス1課 島田 保夫

設備等の状況

ある生コンクリート会社で、昼休みに停電による「年次点検C」を実施していた時のことです。

発見時の状況と対応

年次点検で各機器の清掃が終わり、次に各機器の接続部を点検・増締めを実施している最中のことでした。変圧器やコンデンサの保護をする高圧カットアウトの内部を点検していたところ、ヒューズ筒が割れているのを発見しました。ヒューズ筒は、変圧器等を保護するヒューズを納める重要な樹脂製部品です。しかし、陶磁器の中に収納されていて、通常の月次点検では内部点検ができません。幸いにも高圧カットアウトの磁器本体や接触する刃の部分に損傷は無かったので、撤去中の予備ヒューズ筒に交換し、年次点検を終了しました。

このまま使用していた場合、接触不良や過熱によりヒューズが溶断し、大規模停電となる恐れもありました。お客さまに点検結果を報告すると、電気事故を未然に防ぐことができたと大変感謝されました。高圧カットアウトスイッチは、製造年が1976年と古く、停電事故となる恐れもあったため、取り替えが必要な旨をお伝えし、早期に改修できました。

今後の取り組み

製品メーカーでは、樹脂部品を使用していることから、屋外10年、屋内15年の更新を推奨しており、早めの更新を検討していただくようお願いしています。また月次点検では充電状態のため、変圧器の内部点検や継電器の動作特性試験などはできません。停電による年次点検では、清掃、絶縁抵抗の測定・保護継電器の試験・機器の内部点検などの詳細な点検をおこないます。

これからも、お客さまに停電を要する点検の重要性や設備更新の必要性を説明し、ご理解ご協力を得ながら、電気事故の未然防止に努めてまいります。