電気事故未然防止例

電気事故未然防止例214お客さまからの情報で隠れた危険を発見!!

高知支部 室戸事業所 日柳 治

設備等の状況

あるお客さまへ月次点検にお伺いした時のことです。

発見時の状況と対応

連絡責任者の方に、あいさつをして、電気設備に何か変わったことがないかお尋ねしたところ、「照明(蛍光灯)が切れたので、新しい蛍光灯に取り替えたが、点灯しないので調べてほしい」とのことでした。

早速、その照明器具のある部屋へ行き、調査を開始しました。天井にある照明器具8灯の中の1灯が点灯していません。その1灯は、確かに新しい蛍光灯に取り替えてあり、蛍光灯の種類も間違っていません。「照明器具本体の故障かな?」と思い、器具本体を分解し電源の電圧を測定したところ、電圧がありません。「あれ? おかしいな」と思い、照明のスイッチを何度か(入・切)したところ、電源電圧が100V出てきました。蛍光管を入れると正常に点灯しました。「器具本体に異常はないな〜」と思いながら、他の照明器具を見ると、また別の1灯が消えているではありませんか。この状況から「天井裏の配線に問題がある」と考えました。そこでさらに原因を調査するため、点検口から天井裏に入り、配線状況を見ました。すると、各照明器具へ電源を送るため、数本の配線を【差込式配線コネクタ】で接続しており、数個ある【差込式配線コネクタ】のなかの1個が黒く焼け焦げていました。これが原因で照明器具へ正常に電源を送ることができなくなっていました。そのために照明が点いたり消えたりしていたのです。お客さまに特定できた原因を説明し、改修の許可をもらってから焼損していた【差込式配線コネクタ】を取り替えました。すると照明の点灯・消灯は正常になりました。

この事例は、施工時に【差込式配線コネクタ】へ配線を差し込む際に、配線が曲がっていたり、差し込む長さが足りなかったりしていたために端子部が接触不良となり、加熱し損傷したものと思われます。一歩間違えれば火災になっていたかもしれません。お客さまからの情報で、天井裏に隠れた危険を発見し、電気事故を未然に防ぐことができ大変喜んでいただけました。

今後の取り組み

今回の一件では、お客さまの電気に関するちょっとした疑問や情報が、電気事故の未然防止に繋るということをお客さまにも理解していただくことができました。今後もお客さまからのちょっとした情報も見逃さず、電気事故の未然防止に努めていきたいと思います。