電気事故未然防止例

電気事故未然防止例213停電点検の重要性を再認識

徳島支部 保安サービス1課 前山 晃太郎

設備等の状況

ある病院のお客さまで、停電点検のため停電して作業を行った時のことです。

発見時の状況と対応

停電点検のためお客さまを訪問し、停電して高圧設備関係の清掃をしようとした時のことです。

キュービクル(高圧機器を収めている金属製の函体)内で高圧絶縁電線支持物の1つにリーク痕があることを発見しました。この支持物はPC(高圧カットアウトスイッチ)の後にあるので、普段の月次点検時には高圧機器等で見えない箇所です。今回の点検では、停電したことで、キュービクル内まで入ることができ、清掃をしている時に発見しました。

今回の事象となった原因は、支持物の経年劣化によるものと埃や湿気等による劣化が進んだためと考えられます。

早急に取り替えを要するので、キュービクル内を見まわしたところ、以前、変圧器取り替えを行った際、不要となって撤去した今回と同一の絶縁電線支持物がありました。確認したところ劣化もなく、使用できる状態でした。早速お客さまに、高圧絶縁電線支持物の異常箇所の説明と取り替えに以前の撤去品を使用する旨を伝え、了解を得て、交換を実施しました。

今回は運よく使用可能な撤去品があり、停電点検の作業時間内で取り替えが完了しました。通常であれば、不良箇所の仮補修を行い、後日新品との取り替えのため、再度停電が必要になります。また次回の停電点検までの間に、絶縁破壊を起こし停電事故になる恐れも十分ありましたので、幸いに不良箇所が見つかり、お客さまともども、安心しました。

今後の取り組み

今回は停電による点検のため、高圧機器の細部にわたり点検・清掃を行うことで、異常箇所を発見することができ、停電事故等を未然に防ぐことができました。

停電点検時には、普段の月次点検時には確認しにくい箇所などを重点的に点検していきます。今回のような事象をはじめ、他にも様々な停電事故の要因があります。

当協会では、漏電・故障による停電の未然防止や早期対応のため、またお客さまに電気を安心・安全にご使用いただくために、定期的な停電検査を行っています。今後も停電による点検時には、お客さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。