電気事故未然防止例

電気事故未然防止例211月次点検時にリレー用制御線が高圧絶縁電線に接触しているのを発見

香川支部 さぬき事業所 溝渕 光弘

設備等の状況

食品製造会社のお客さまで、月次点検を実施していた時のことです。

発見時の状況と対応

引込設備である構内柱および柱上の高圧機器を目視により点検していたところ、高圧気中開閉器二次側のリード線(高圧絶縁電線)に違和感がありました。詳しく見るために双眼鏡を使用してもう一度確認したところ、高圧気中開閉器二次側のリード線にリレー用の制御線が接触しているようでした。このままでは高圧電路と低圧電路が接触することにより停電事故に発展する恐れもあります。そこでお客さまの連絡責任者に状況を説明し、改修のための停電措置をお願いしました。食品製造のため、24時間稼働していましたが緊急を要することを説明したところ、ご理解のうえ、製造を一時ストップしていただき、その日のうちに停電作業による改修を行うことができました。お客さまには、「停電事故など起こる前に改修できてよかった」との喜びの言葉をいただきました。

原因および処置

このお客さまの設備は竣工してから数年の設備であり、制御線を固定していた樹脂製の固定バンド(結束バンド)が経年劣化等により切れたため、制御線が垂れ下り高圧絶縁電線に接触したものです。そこで樹脂製のバンドを使用すると、紫外線に触れるような場所では数年で劣化する可能性もあることから、劣化しにくいバインド線(芯に金属が入っている物など)を使用して改修しました。

今後の取り組み

柱上の外観点検は地上からの目視による点検に加え、双眼鏡などを使用してより注意深く点検をすることが重要です。ちょっとした見落としが波及事故に発展していく可能性もあります。目視による観察眼を養うことも大切で、ちょっとしたいつもと違うという感じを確実につかみとり、さらにいろいろな機器も利用しながら電気設備の点検を行っていくことが重要です。