電気事故未然防止例

電気事故未然防止例205工事後の送電には細心の注意が必要

今治事業所 阿部 厚志

設備等の状況

動力変圧器3台・電灯変圧器1台、合計500kVAを超えるお客さまでのできごとです。

発見時の概要

夏場の深夜に原因不明の建物火災があり、緊急に電気設備改修工事が行われました。工事の主な内容は、屋外キュービクルから建屋内までの健全な部分の低圧ケーブル幹線は再使用し、焼損部分を撤去し取り替え接続することでした。

工事完了後の送電までの流れは、回路の絶縁抵抗良好を確認し、開閉器を投入します。しかし、真夏の暑さに加え、新設と異なり複雑な作業を目の当たりにしていましたので、誤接続の可能性も有るかも?との気持ちで確認作業に入りました。

まず開閉器OFF状態から一つずつ開閉器を投入するごとに、他の開閉器二次側の電圧測定も行いながら順次投入して行きました。すると、1回路だけOFF状態にもかかわらず、開閉器二次側に200Vの電圧が出力されていることを発見しました。

早速、工事責任者に連絡し、配線工事の手直しをしてもらい、こと無きを得ることができました。確認を十分にせず、不用意に開閉器投入した場合、短絡事故等によりお客さまに迷惑がかかることも危惧され、工事責任者には大変感謝していただきました。

今後の対応

災害復旧時だけでなく新設・改修工事では、さまざまな状況下により、いろいろなトラブルに遭遇することがあります。これからも、長年の経験を生かし、あせらずに慎重な確認をしていこうと思います。