電気事故未然防止例

電気事故未然防止例200プール設備使用前点検において漏電遮断器の動作不良を発見

愛媛支部 三島事業所 大高 章義

設備等の状況

小学校の水泳プール機械室で動力用漏電遮断器の動作試験を実施した時のことです。

発見時の状況

ある小学校の水泳プール用電気設備の使用前点検にお伺いし、連絡責任者である教頭先生にプール機械室の鍵を借用のうえ点検を始めました。まず初めに外観点検、続いて接地抵抗測定、絶縁抵抗測定と順に点検をしていきました。そして、漏電遮断器の動作特性試験に取り掛かった時のことです。動力回路の漏電遮断器に、試験器をセットして試験電流を流してみました。しかし漏電遮断器が動作しません。数回やり直しましたが、やはり動作することはありませんでした。

対応処置等

原因を探るうちに、過熱痕や水濡れなど外観に異常が見られないことから、経年劣化による漏電遮断器の動作不良と判断しました。そこで、教頭先生と教育委員会さまに点検結果を報告するとともに「漏電遮断器が動作しないままプールを使用しますと、もし漏電した場合に感電や火災の恐れがあり、非常に危険です」とご説明しましたところ、早速検討していただき、プール使用開始までに漏電遮断器を取り替えていただくことになりました。その数日後、教頭先生から取り替えが完了したとの連絡があり、早速動作特性試験を実施し、漏電遮断器が正常に動作することを確認しました。

今後の取り組み

今回動作不良のあった漏電遮断器は前年のプール使用前点検の折には異常が見られませんでした。しかし、今回の点検では動作不良となっていました。このことから、お客さまにも休止していた水泳プール設備を再使用する際には使用前検査が重要であることを再認識していただけました。水泳プールなど、人の皮膚が濡れている状態では、濡れていない状態と比べると、3倍近くもの電流が体を流れ、非常に危険です。今回の場合も、もしこのまま使用していたら、漏電事故が発生しても、自動的に電路を遮断できず感電してしまう恐れもありました。こうした感電事故を防ぐため、当協会では、夏場だけ使用する水泳プール設備について、使用前点検を行っております。今後も安心して電気を使用していただくため、また電気の安全を守るため確実な点検と迅速な対応に努めていきます。