調査業務における体験談 vol.88目の届かない場所にある電気設備は要注意
香川支部 調査サービス課 堅田 和宏
夏の晴れた日、市内から遠く離れた山あいの集落にある一軒のお宅を訪問した時のことです。
門の前から声をかけると、70代くらいの男性が出て来られました。4年に一度の電気の安全調査の説明をした後、そのお宅の点検業務を行い「結果は良好です」とお伝えしました。
すると、ご主人が「この家の敷地外の山の中にも電気の契約をしている建物がある。現在は使用していないが、今後使うかもしれないのでそのままにしている」と話されて、大まかな場所を教えてくれました。お聞きした方向へバイクで進んで行き、暫くすると道路は未舗装となり、木々もうっそうと茂ってきた頃、目印となる引込柱を見つけました。そこから電線を頼りに電力メータを探すと、電線は谷の下に向かって伸びており、その方向に何とか回り込み谷へ降りてみたところ、電力メータを発見しましたが、葛(かずら)がびっしりと絡みついていました。
設備は、引込小柱のプラスチックボックス内にブレーカーとコンセントしかないものとなっており、昔はこの谷が水源地でポンプを使用されていたようですが、今はなくなっていました。漏れ電流値を確認するため葛を取り除き、ボックスを開けると、ツチバチが端子付近で巣を作った形跡がありました。また、ボックス内に付けられていたコンセントにもツチバチの巣の土が詰まっていたため、それぞれ除去して使用できるようにし、無事、調査業務を終えました。
その後、ご主人に状況を報告し、普段使用されていない電気設備も今後の再使用時に備えて定期的に確認いただくようお伝えしました。
