定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.77動力回路で!!

愛媛支部 西条事業所 大西 史晃

当協会に入協し2年目のある秋の日、市内中心部にある学生専用マンションへ電気の安全調査でお伺いした時の出来事です。
入居しているお客さまには管理人を通じ事前に安全調査の周知をお願いし、当日各戸を一軒ずつ訪問した結果、屋外点検での漏電等の異常箇所はありませんでした。管理人より「屋内点検も希望している入居者が数人いる」とのことでしたので、管理人立会のもと点検させていただき、その結果、それぞれ異常箇所がないことを入居者と管理人にお伝えしました。
次に建物共用部分の漏電調査を行いました。共用の電灯回路に異常はありませんでしたが、共用部分動力の分岐回路3回路のうち、エレベーター(以下、EVという)回路で、漏れ電流値が漏電している可能性のある値でした。管理人に「EV回路で漏れ電流の基準値を超えているため、漏電の恐れがあります。停電して詳細な測定をする必要があり、EV管理会社の点検月に合わせて再度調査にお伺いします」と伝え、その日はその場を後にしました。

後日訪問し、EV管理会社に絶縁抵抗測定実施のため停電をお願いし、測定を行いました。すると、不良を示す数値が出ました。確認のため、再度測定を行いましたが、やはり同様の結果でした。EVはインバーター回路がほとんどのため、停電しない漏れ電流測定では基準値を超過し、停電しての絶縁抵抗測定では良好の値が出る事が多いのですが、今回、絶縁不良を発見することができ、停電して実施する絶縁抵抗測定の大切さを改めて実感しました。
管理人には「1階EVブレーカーから屋上EV室のある主ブレーカーの幹線で漏電があります」とお伝えし、早期改修を依頼しました。
その後、上司より「管理人から調査点検時の対応についてお褒めの電話をいただいたよ」との伝言を受け、特別な対応をしたわけではありませんが、自分の仕事を認めていただいたことが、素直に嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。
また、不良箇所の原因は幹線の一部が損傷していたとのことで、改修が完了したことを確認しました。

これからも、お客さまからのお褒めの言葉を大切に、いろいろな経験を積み重ねながら、お客さま一人一人に誠心誠意対応できるよう日々の業務に取り組んでまいります。