定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.74初めての絶縁不良

高知支部 調査サービス課 嶋巻 洋司

一人で調査業務に行き始めた、初秋のある晴れた日のことです。電気の安全調査のため、海辺の住宅街のご家庭を一軒一軒訪問していました。あるお宅を訪問したところ、70代くらいのご主人がおられました。

お客さまに電気の安全調査の説明と問診を行い、屋外の建物周りを点検した後、電力メーター付近で漏電していないか測定しました。すると、漏れ電流測定で基準値を超える値が出たので、「もしや、漏電しているかもしれない」と思い、お客さまに停電の了承をいただき、屋内の分電盤で絶縁抵抗測定をさせていただくことにしました。
実際にお客さま宅を停電して測定するのは初めてでしたので、研修で習ったようにできるのか心配でしたが、一つ一つ手順を確認しながら慎重に測定していくと、漏電している回路を発見しました。
その回路は、屋外のコンセント回路でした。広さ車3台分ほどの駐車場の真ん中に鉄蓋のマンホールがあり、蓋を開けると約1mの深さに排水ポンプが見え、これが絶縁不良だと突き止めました。お客さまには、その内容を説明し早急に改修するよう依頼しました。

後日、お客さまより「家を建てた建築会社とポンプ設置会社が確認に来るので立ち合いをしてほしい」と連絡があり、現場に向かうと電気工事会社も来て調べていました。原因は排水ポンプ内の配線の不具合であると分かり、ポンプの取り換えをすることになりました。
数日後、お客さまより「改修工事が終了した」との連絡があり、お宅にお伺いすると「保安協会さんに定期調査をしていただいたおかげで、排水ポンプの漏電が分かって良かった」と大変喜んでいただきました。

今後も、電気の安全に関する知識をより深めていき、お客さまに安心して電気をお使いいただけるよう、努めてまいりたいと思います。