定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.72長すぎるネジが!

香川支部 調査サービス課 藤尾 義一

電気の安全調査で郊外のあるお宅を訪問しました。
最初に訪問した際、お客さまはご不在でした。後日、二度目に訪問した際もご不在のため、屋外の電力メーター付近で漏れ電流を測定することにしました。すると、おどろいたことに基準をはるかに超える測定範囲外の値がでたのです。なるべく早く原因を調査する必要があります。お客さまに電話連絡し在宅時に再度訪問することにしました。

お客さまは、80歳代と思われる男性でした。漏電箇所を特定するため、まず屋内にある分電盤に案内していただきました。分電盤は住宅ではあまり見かけない金属製ボックスでした。検電器を扉に当てたところ「ピーピー」とかなり大きな音が鳴り「これは?!」と思いました。注意しながら扉を開けると扉の固定ネジが目に入りました。異常に長く分電盤に至る配線の被覆を突き抜け、なんと! ネジの先は芯線まで達していました。
慎重にネジをゆるめて取り外し、再度、検電すると、検電器は鳴らなくなり、漏れ電流測定値も基準を下回る値となりました。電力メーターの負荷側回路の絶縁抵抗測定も正常値でした。
漏電の原因が判明したため、お客さまに状態をお伝えし、配線の芯線が損傷している可能性があるので電気工事店に改修を依頼するようお願いしました。

数日後、お客さまから修理が完了した旨のハガキが返送されたので、再度訪問し、漏電していた配線がきれいに取り替えられていることを確認しました。
お客さまには、「小学生の孫を預かる日もあるので、危険な漏電を見つけてもらい良かった」と、感謝していただけました。

これからも、お客さまに安全で、安心して電気をお使いいただくため、調査業務の的確な実施を心がけてまいります。