定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.69お客さまのおかげです

愛媛支部 調査サービス課 伊藤 和也

入協して1年が過ぎました。先輩たちから受けたアドバイスが、実際の場面で活きています。
「絶縁不良を発見したら、原因を突きとめる努力を惜しまないこと。そして原因が判明したら、早期に改修していただくために、わかりやすく説明すること」という話もその一つです。

電気の安全調査の仕事に慣れてきた頃のこと。
お客さま宅の電力メーター付近で、漏れ電流計による測定をしたところ、基準値を超える値が出ました。
そこで、お客さまに状況を説明し、屋内で原因を調べることにしました。
「電気はなるべく止めないでほしい」とのご要望があったため、回路ごとに漏れ電流計で測定するつもりで部屋に入りました。ところが、ブレーカーを見てみると、配線にゆとりがなく、一番小さなクランプも挟めない状況でした。
仕方がないので、1回路ごと停電して異常箇所を突きとめることにして、お客さまの了解をいただきました。
かろうじてクランプを挟むことができた主開閉器で漏れ電流を測定しながら分岐回路を順番に切っていくと、異常値の出る回路がありました。

次に、その回路につながっている電気製品を1台ずつ確認していくと、トイレの温水洗浄便座が原因であることがわかりました。
お客さまには「温水洗浄便座はコンセントから電源プラグを抜いておくので、早めに改修をお願いします」とお伝えしました。
そして後日、温水洗浄便座を改修したとの連絡をいただきました。ホッとしたと同時に、原因を探すために各部屋を隅々まで案内してくださったお客さまを思い出し、協力いただいたことに感謝の気持ちで一杯になりました。
今振り返ると、お客さまが快く協力してくださったのは、ぎこちない動作で作業していた私の様子を見ていたお客さまに、一生懸命さが伝わったのかなと思います。

これからも初心を忘れず、いつも丁寧な対応を心がけ、電気安全の啓発に努めます。