定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.67配線をたどって原因究明

徳島支部 調査サービス課 新居 靖教

ある日、電気の安全調査をしていた同僚から、応援を求める電話がありました。
「電力メーター付近の配線で測定した漏れ電流値が1.6Aと過大であった(基準値は1mA以下)。分電盤のスイッチをOFFにしても測定値は変わらない。原因を特定するために、手伝ってもらえないか」という内容であったため、すぐに現地へ向かいました。

そこは、母屋の隣に2階建ての納屋があるお宅でした。
電気の配線は、最初に納屋を通っており、1階の奥に分電盤がありました。納屋の中は、2階壁面の鉄骨沿いに露出配線があり、途中からベニヤ板を貼った壁の中に入り、分電盤に至っていました。
同僚と一緒に漏れ電流を再度測定したところ、電力メーター付近では1.6A、分電盤では1mA以下でした。そのため、電力メーターから分電盤までの間で、配線のどこかに異常箇所があると想定しました。

露出部分をたどって、クランプメーターで測定していくと、ずっと1.6A程度の値でした。あとは、ベニヤ板をはがさないと確認できません。「これ以上は無理だ」と思っていたら、調査の様子を見守っていたご主人から「ベニヤ板はネジではずせるので、遠慮なく調べてほしい」と要請がありました。
そこで、ベニヤ板をはずすことになったのですが、万一のことを考えて低圧絶縁手袋をして作業しました。
ベニヤ板を1枚はずしたところで現れた配線をクランプメーターで測定したところ、1mA以下になりました。さらに、ライトを照らして、配線をよく見ていくと、小さな穴が見つかりました。
べニヤ板の上から釘を刺していた場所があったので、釘がケーブルに刺さっていたのでしょう。ビニールテープで絶縁処置をし、電力メーター付近で測定すると、今度は正常値でした。
お客さまに状況を報告すると「原因がわかって安心しました」と大変喜んでいただきました。

ケーブルの絶縁被覆に穴が開いていた

調査業務では色々な出来事がありますが、今後も丁寧な対応で、電気安全に努めてまいります。