定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.66こたつのプラグが危険な状態に!

高知支部 調査サービス課 小巻 天星

コロナ禍の中、私たちはマスクの着用はもちろん、その他の感染症対策も十分に講じた上で電気設備の安全調査を実施しています。
漏電の有無は、電力メーター付近など屋外の測定可能な場所で確認します。屋内で調査を実施する場合は、入室前に手指消毒を実施し、お客さまとの間隔を確保する等の対策をとるとともに、可能な範囲でお客さまにもマスクの着用や換気への協力をお願いしています。

昨年の冬の寒い日、ある住宅街を一軒一軒訪問し調査をしていると、屋外で測定した漏れ電流値が基準値を超えているお宅がありました。
お客さまに「漏電の可能性があるので、原因を特定するために屋内で調査をさせてほしい」とお願いすると、快く承諾してくださいました。
まず、廊下の壁面上部の分電盤で絶縁測定をして、異常があるのはコンセント回路と特定しました。
次にコンセントに差し込まれた電気器具をひとつずつ点検しました。居間を見た際に、コンセントに曲がって差し込まれているこたつのプラグに気が付きました。そこでさらに絶縁測定をして、こたつに不具合があることが判明しました。

お客さまに許可をもらって、曲がっていた差し込みプラグのネジをとって開けてみると、ほこりが溜まり、少し焦げて黒ずんでいました。差し込みが不完全であったため、ほこりが溜まりやすくなっていたのでしょう。ほこりは、空気中の湿気を吸収することで通電経路ができ、放電により発火して火災につながるおそれがあります。このままの状態でこたつを使用するのは危険でした。
調査の様子を心配そうに見守っていたお客さまに、こうした状況をお伝えすると「もう何十年も使ったこたつなので、新品に買い替えたい。大変なことになる前に見つけてもらって良かった」というお言葉をいただきました。

電気設備の安全調査は、お客さまの財産を守る重要な仕事です。コロナ禍にあっても、お客さまのご協力をいただきながら的確に実施してまいります。