定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.625階までの階段を何度も上り下り

高知支部 調査サービス課 田中 純一

調査員として入協し、あっという間に4カ月が経ちました。初めて経験することが多く、上司や先輩に、指導や助言をもらいながらの毎日です。最近もこんなことがありました。

訪問先は、2棟の5階建てマンションでした。そこには、各戸メーターが合計40個、電灯と動力の共用メーターが各1個ありました。事前に連絡をとった家主さんからは、「当日の立ち会いはできないが、共用部分の鍵は開けておくので、自由に調査してほしい」と依頼されていました。
古い建物だったので、マンションにはエレベーターがなく、各戸を順番に歩いて調査しました。結果、住居部分と共用の動力部分では異常がありませんでしたが、共用の電灯部分での漏れ電流測定で基準を上回る値が出ました。
原因を探るため、分電盤内の回路ごとに測定していくと、「屋外照明、ポンプ室、TVコンセント」と表示された回路に異常があることがわかりました。しかし、ここからさらに原因を特定するのは、私ひとりではお手上げでした。
先輩に電話をしたところ、ちょうど近くにいて助かりました。すぐに駆け付けてくれた先輩と二人で、まずはTVコンセントの調査を開始しました。
TVコンセントとは、テレビのブースター(増幅器)用の電源コンセントのことだろうと、設置場所を探しましたが、なかなか見つかりません。階段を何度も上り下りして、ようやく5階で見つけました。
しかし、苦労の甲斐なく、測定した結果は異常なし。ここが原因ではありませんでした。

次にポンプ室を調査しましたが、ここも異常なし。残るは屋外照明だけになりました。
屋外照明とは、5本のポールに1灯ずつ設置された水銀灯でした。漏れ電流測定をしたところ、5本のうち2本で異常がありました。先輩は、「原因が水銀灯か、配線かを特定するためには、水銀灯の安定器を切り離して測定したらよい」と教えてくれました。
そのとおりにしてみると、配線には問題なく、水銀灯の器具の絶縁不良だったことが判明。ようやく原因を突きとめることができ、安堵しました。

今回の件では、一人で悩まずに先輩に相談したことで、不良箇所の特定にたどり着くことができました。
これからも様々な経験を積み重ねながら、知識や技能の向上を図りたいと思います。そして、調査業務を通じて、お客さまに安全と安心をお届けしてまいります。