定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.61劣化を見逃すな!引込口配線は電気を送る命綱

愛媛支部 調査サービス課 藤江 政武

私は入協して5年目になります。電気の安全調査でお客さま宅を訪問すると、まずは、引込線や引込口配線を目視点検します。引込線が家屋にしっかり固定されているか、引込線と他設備との離隔距離はよいか、引込口配線の劣化はないか等をチェックするのです。年数が経過した家屋では、引込口配線の劣化を特に注意してチェックしています。肉眼で見えにくい場合は、双眼鏡を使って詳しく確認をしています。引込口配線によく使われているCVケーブルの端末部は、紫外線により絶縁被覆のひび割れが起きやすく、ひどくなると芯線が露出して、短絡や漏電などの危険な状況になる恐れもあるからです。

ある日、市内の住宅街に建つお宅を訪問しました。
最初にお客さまに問診して異常がないことを確認した後、屋外に出て、外観点検を始めました。
いつものように引込線の取り付け点付近を下から見上げたところ、CVケーブル端末部の絶縁テープが剥がれているのが見えました。さらに双眼鏡で見てみると、一部の絶縁被覆が無くなって、芯線3本が露出しているのがはっきり見えました。
お客さまにも一緒に見ていただき、このまま放置すると危険であることを説明しました。
そして、その他の調査や測定を済ませた後、「絶縁テープを巻きなおして絶縁効力が十分に保てるようにする必要があります。なるべく早く、お近くの電気工事店に連絡して、改修してもらってください」とお願いして、改修通知票をお渡ししました。
引込口配線は、お客さまの財産となり、保安責任もお客さまにあるのですが、「修理は、電力さんがしてくれるのではないのか?」とお客さまに尋ねられることがあり、なかなかご理解いただけない場合もあります。そんな時は、「電気安全パンフレット」のイラスト(右ページ参照)なども活用しながら、ていねいに説明するよう心がけています。

引込口配線は電気を送る命の綱と言っても過言ではありません。引込口配線の劣化などの異常を発見するのは、私たちの使命と自負しています。これからも、お客さまに信頼される調査員として尽力してまいります。