定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.59ブレーカーが切れたのはなぜ?

徳島支部 調査サービス課 大窪 秀美

調査員になり、1年が経ちました。受け持ち地区の方々から、朝夕の挨拶やお声がけをいただくこともあり、お客さまとのふれあいは私の元気のみなもとになっています。

ある朝、周囲に田園が広がる道をバイクに乗り、現場に向かっている時のことでした。すぐ近くで農作業をしていた男性に挨拶をしたところ、「ちょうどよかった」と呼び止められました。そして、「今朝、田んぼに来たら農事用ポンプのブレーカーが切れていた。試しにブレーカーを入れてみたらそのまま使えているが、大丈夫だろうか」というご相談がありました。
農事用ポンプは、田んぼの隅に建つ小屋の中にあって、私が10日ほど前に定期調査を行ったばかりの場所でした。その時はお客さまがご不在だったので、屋外で配線などの目視点検や漏れ電流測定を行い、調査結果は良好だったのですが…。
今回のブレーカーが切れた原因が気になるので、すぐに調べてみることにしました。まず、漏れ電流測定をして、測定値に問題はありませんでした。次に屋内を見せていただくことにして、漏電の可能性のある箇所を探していると、入口扉の横にポンプ始動用のスターデルタ開閉器が設置されているのが目に入りました。
よく見ると、開閉器を取り付けた壁に雨漏りの跡があります。外に出て小屋の屋根を確認すると水切りが傷んでおり、暴風雨の際にそこから雨水が浸入したことが想像できました。「このままだと、また漏電が発生する可能性があります。漏電は、感電や火災につながることもあるので、早めに屋根を修理されることをおすすめします」とお客さまにお伝えしました。

後日、久しぶりにこの場所を通りかかると、田んぼの中にあの時のお客さまの姿があり、「この前は、ありがとう。あの後すぐに屋根を修理して、おかげで安心して仕事ができるようになった」とうれしいお言葉をいただくことができました。
これからも電気を安全に、安心してお使いいただくために、的確な調査業務の実施を心がけてまいります。