定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.58被覆が劣化した引込口配線を立て続けに発見!

高知支部 調査サービス課 伊藤 寿

調査業務に就いて10カ月になります。短い間にもいろいろな出来事がありましたが、上司や同僚のアドバイスのおかげで、無事に乗り切ることができています。

先日は、築30年ほどのアパートが建ち並ぶ地区において、被覆が劣化した引込口配線を5棟のアパートで発見しました。
引込口配線とは、軒先などの引込線の取り付け部分から屋内の配線に至る間の配線をいい、主にCVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)が使用されています。引込線と引込口配線の接続部分では、絶縁被覆をはぎ取るため、太陽の紫外線に長い間さらされるとひび割れを起こしやすく、そのまま放置すると充電部が露出して、短絡や感電などの危険な状況になる恐れがあります。引込線との接続部分は、地上6m以上になる場合が多く、肉眼で被覆劣化を見分けるのは難しい場合は、双眼鏡を使ってしっかり確認しています。

調査業務では、アパートやマンションなどの共用部分の配線などに不具合箇所があれば、家主さんや管理会社さんなどに改修のお願いをします。引込口配線も共用部分となるため、今回の5棟のアパートでも同様の対応をしましたが、それぞれ別の家主さんだったので、改修のお願い先を見つけるだけでもかなり手間取りました。
 2棟は家主さんに電話がつながりましたが、3棟は電話が通じなくて、不動産会社さん経由で家主さんに連絡していただくことにしました。その中で、数日待っても連絡がとれないところが1棟あり、最終的に入居者の方にお聞きして連絡先を探し当てました。

また、連絡先は5棟ともアパートとは別の場所であり、一緒に現地で不具合箇所を見ていただきながら説明することが不可能でした。そこで、劣化部分を拡大して分かりやすくした写真を持参して説明したり、遠方の家主さんには説明文書と一緒に郵送したり、理解していただけるような工夫をしました。現在のところ、3棟は家主さんから電気工事業者さんに依頼していただき、改修が完了しました。残る2棟も、近々改修していただけるものと思っています。
改修が完了した家主さんからは、「私たちでは気付かない危険箇所を発見してもらい、ありがとうございました」とお礼の言葉をいただきました。

毎日、多くのお客さまを訪問しています。苦労する時もありますが、労いや感謝の言葉をいただくと、「これからも頑張ろう」という気持ちになります。
今後も丁寧な仕事を心がけて、お客さまに安心して電気をお使いいただけるよう、電気の安全を守っていきたいと思います。