定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.57漏電の原因は、アース線?!

愛媛支部 調査サービス課 黒河 良眞

入協して5カ月が過ぎました。前職でも電気関係の仕事をしていましたが、協会で初めて調査業務を経験することとなり、毎日が新たな発見の連続です。

先日、定期調査で訪問したお客さまから、「今朝、漏電ブレーカーが動作した。心配だから調べてもらえないか」とお電話がありました。お客さま宅には以前に2度訪問しましたが、いずれもご不在だったため、2度目に屋外で漏れ電流測定と電気設備の目視点検を行い、異常は認められない旨のお知らせ票をポストに入れていました。

お電話があった日はご在宅とのことでしたので、すぐにお客さま宅へ向かいました。まず、ご主人に漏電ブレーカーが動作した時の状況をお聞きすると、「漏電ブレーカーは2回動作した。最初は、家内が食器洗浄機のプラグを触った時。2回目は、私が電子レンジのプラグを抜いた時」とのことでした。私は疑問に思って「プラグを挿した時ではなく、抜いた時ですか?」と再確認しましたが、ご主人ははっきり「抜いた時だった」と言われました。
疑問をもったまま、漏電ブレーカーを確認すると、漏電検知表示ボタンが飛び出たままの状態でした。漏電が疑われる食器洗浄機と電子レンジは、同じ『アース端子付き2口コンセント』で使用されているとのことでしたが、この時は両方ともプラグが抜かれていたので、漏電ブレーカーのところで絶縁抵抗を測定し、結果は良好でした。続いて、食器洗浄機と電子レンジを個々に測定しましたが、どちらも異常はありませんでした。
次に、『アース端子付き2口コンセント』を見てみると、明らかに異常な状態であることが確認できました。コンセントへのアース線の取り付け方が悪く、先端が上向きに長くはみ出て、すぐ上の差し込み口に触れていたのです。そこで、コンセント回路のスイッチを切った後、試しに電子レンジのプラグを抜き挿しすると、プラグがアース線の先端に触れるのが確認できました。

これで一件落着となり、ご主人に漏電の原因を説明したところ、「アース線は自分が取り付けした。まさかこれぐらいのことで…」と驚かれていました。
アース線がついている家電製品には、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、食器洗浄機などがあります。ご主人には、「アース線はコンセントのアース端子に正しく取り付けすることで、漏電による感電などを防ぐことができる」ことをお話ししました。

今回、お客さまからは感謝の言葉をいただき、電気の安全調査を通じて社会貢献していることを実感しました。皆さまに電気を安全に、安心してお使いいただくために、これからもお客さまへの丁寧な対応を心がけたいと思っています。