定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.50浴室の引き戸枠がビリッと!

山田事業所 石川 達也

入協して8年になります。4年に1度の電気設備の安全調査で、商店やご家庭にお伺いする定期調査業務をしています。

調査業務に就いて3年目の8月、あるお客さまを訪問した時のことです。最初に、「四国電力からの委託を受けて、4年に1度の電気設備の点検・調査にお伺いしました」と訪問の趣旨説明をしました。すると、お客さまのほうから「うちの家、漏電しているかもしれません。お風呂場の入口の引き戸の枠に触ると、ビリッと感じます」とのお話がありました。

早速、調査をはじめ、屋外電気設備等の目視点検を行った後、電力メーターで漏れ電流を測定すると、「12mA」という基準値をオーバーした値でした。「漏電している可能性が高い」と考え、屋内分電盤で停電しての詳しい調査の必要性をお客さまにお伝えし、停電時の注意事項の説明と立ち会いをお願いしてから、屋内分電盤での点検をしました。

まず、漏電の可能性が高い浴室のブレーカーを切ると、主ブレーカーに取り付けていた漏れ電流計の値が12mAから基準値以下になりました。間違いなくこの回路だと確信し、絶縁抵抗を測定すると0.02MΩと低い値でした。そこで、洗面所と浴室内を点検しましたが、電化製品や照明器具等には不良と思われる設備は見当たりませんでした。再びブレーカーを入れて浴室入口の引き戸の枠に検電器をあてると「ピー、ピー…」と確かに反応がありました。「現状では、器具と配線のどちらに不良があるかは分かりません」とのご説明をして、「場所が浴室付近であり、濡れた体では感電すると非常に危険ですので、電気工事店に依頼して早期改修をしてもらってください」とお願いして調査を終えました。

翌日、早速お客さまより「改修しました」とのご連絡をいただいたので、再調査にお伺いしました。そして絶縁抵抗測定を実施すると、良好な状態に改善されていました。お客さまに「不具合箇所はどこでしたか?」とお聞きしたところ、「以前、洗面台を取り換えた時、業者さんが施工した木ネジが壁裏の配線に刺さっていたようです」とのことでした。そして、「お盆に孫が帰省する前に点検してもらい、漏電がわかって本当に良かった」とたいへん喜んでいただきました。

あの日の調査は、お客さまにとても喜んでいただいたので、記憶に残っています。また、調査業務に就いて3年目の未熟だった私にとっては、業務への励みとなる大きな経験となりました。今後も色々な状況や問題に直面すると思いますが、ひとりでも多くのお客さまに喜んでいただき、お役にたてるよう、不良箇所の早期発見と丁寧な調査業務に努めていきたいと思います。