定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.47問診で絶縁不良の原因を特定

徳島支部 調査サービス課 新居 靖教

入協して1年余りになります。
以前は他業種で10年ほど働いていましたが、電気関係の仕事をするのは初めてなので、戸惑いを感じつつも、上司や先輩方にアドバイスをいただきながら調査業務を行っております。

5月頃、あるゴルフ施設の調査業務を行うため、オーナーさまの了解を得て、ゴルフコースに入りました。以前の調査員から、施設の電気設備地図を渡されていましたので、電気メーターを探し回ることなく、スムーズに調査は進んでいました。

しかし、2カ所ある休憩所のうちの1カ所で、低圧電力のスイッチボックスのフタが開いたままになっており、ボックスの中の漏電ブレーカーが切れていました。
オーナーさまに絶縁測定をする了解を得て測定をすると、絶縁測定値0.03MΩと規定値以下でした。

その日は小雨が降り続いていたので湿度が高く、スイッチボックスのフタも開いていたことから、ほこり等不純物に水分が混じることで、絶縁抵抗が低下している可能性もあることをオーナーさまにお伝えし、要改修通知票をお渡ししました。

後日、オーナーさまから「再度、現地で説明してほしい」との連絡があり訪問しました。
説明前に、確認の為もう一度絶縁測定をしたところ、絶縁測定値は、3MΩと良好でした。
その日は、晴れていたので絶縁がよくなったのかなと考えましたが、釈然としなかったので、休憩所の従業員の方々にブレーカーのことについてお尋ねすると「業務用エアコンのみに使用していて、特に触ったこともないです。あぁ そういえば、以前にヤモリが入り込んで調子が悪いことがあったので、改修したことがありますよ」とのことでした。そこで、オーナーさまの了解を得てブレーカーを入れ、少し様子を見ることにしました。そして、オーナーさまに説明をしていると『カチッ』とブレーカーが切れたような音が聞こえたので確認してみると、漏電ブレーカーが動作して切れていました。再度、絶縁測定をすると、絶縁測定値0.03MΩと以前測定した時と同値になっており、エアコンが絶縁不良の原因であると判断しました。

オーナーさまに、エアコンの絶縁不良で、ブレーカーを入れてもしばらくするとブレーカーが切れる為、業務にも支障をきたす恐れがあるので、エアコン業者などに点検してもらって、改修していただくようお願いしました。

後日、改修督促の為、お電話すると「エアコン業者に点検してもらったところ、ヤモリが屋外機に入っていたことが原因でした。もう、ブレーカーが切れることも無くなったので、確認に来てほしい」とのことで、再調査に伺い絶縁測定を行うと、測定値は良好でした。

今回の件では、ブレーカーが切れていたことについての問診を徹底したことが、絶縁測定以降の対応につながり、不良の原因特定となりました。今後とも電気を安全に使用していただくよう、お客さまとの対話を十分に図りながら調査業務に取り組みたいと思います。