定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.44原因は、使用済の古い配線

香川支部 調査課 中條 利彦

郊外の住宅街を定期調査で訪問した時のことです。
初回訪問時にはご不在でしたので、「電気設備の安全調査のお知らせ」のリーフレットを投函していました。その数日後に再度このお客さま宅を訪問しました。

しかし、またお客さまはご不在でした。そこで屋外での目視点検と電力メーター付近で、漏れ電流の計測を行いました。すると漏れ電流が2.5mAと規定値をオーバーしていました。さらに、抵抗分漏れ電流測定ユニット(Ior)で計測しましたが、値に変化はありませんでした。

再調査の必要があったので「電気設備調査結果のお知らせと再度調査のお願い」のリーフレットを投函して、先方からの連絡を数日間待っておりましたが、連絡はありませんでした。次にまた訪問しましたが、ご不在でした。近所の人の話では、この家には今は人が住んでいないらしく、この家を管理している親戚の方がいらっしゃるということでした。

後日、その親戚の方と連絡をとることができました。そこで調査内容をお知らせし、屋内への立ち入りが必要となるため、その日時を打ち合せし、親戚の方の立ち会いのもと再調査を行いました。停電による絶縁測定を行いますと、分電盤の不良回路が有ることが判明しました。

そこで不良回路の配線で、不良箇所を特定するためさらに調べていきました。すると玄関横から出た配線が直接地面に入っており、切断されたままの配線が数cm土に埋まっていました。これが漏電箇所でした。この配線は古いインターホン用の線で、今は新しいインターホン玄関子機が有り、無線タイプに取り替えられていました。そこで親戚の方にこの状況をお知らせし、相談の上、回路から切り離しを行いました。そして再度絶縁測定をしましたが、異常はありませんでした。

親戚の方は「漏電の原因が解り、安心しました。空き家で事故が起こらずに良かった」と大変喜んでいただけました。

これからもこうしたいろいろな経験を積み重ねて、お客さまから信頼されるよう、お客さまの立場に立って安心して安全に電気を使っていただけるよう努めていきたいと思います。