定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.42問診で漏電箇所の早期発見

高知支部 中村事業所 刈谷 晴記

昨年3月に入協して早1年が過ぎ、少しずつではありますが調査業務に慣れてきた今日この頃です。

お客さまを訪問し、調査業務を実施する前には、調査の目的等を説明し「電気に関する心配事等」を問診するのですが、今回はこの問診をきっかけに、漏電箇所の早期発見につながったお話をさせていただきます。

いつものように、お客さまを訪問し調査内容の説明をし、電気のことで気になる事があるか問診をしました。すると「たまに台所とお風呂の間の引き戸でビリビリする時がある」とのことでした。「漏電しているのではないか?」と思い、早速測定を実施しました。

漏れ電流測定を実施すると測定値が基準値を超えており「今まさに、たまにビリビリする引き戸で漏電がおきている」と直感しました。お客さまに「たまにビリビリする引き戸」に案内してもらうと、それは、トタン張りの引き戸でした。念のために検電器をあてるとピーピーピーと鳴動するではありませんか!このままでは危険と判断して、ブレーカーを開放しました。さらに念入りに原因を調査すると、引き戸の向こうに洗濯機が設置されていました。その洗濯機のあたりを注意深く調査すると、電源コンセントが延長コードに差され、さらにビニルコードに接続されていました。延長コードとビニルコードの接続は手でねじってつなげているだけで、接続部にはビニルテープが巻かれている状態でした。また、そのビニルテープが剥がれ銅線がむき出しになっている箇所があり、それがトタン張りの引き戸に接触していました。漏電の原因はこれに間違いないと確信しました。

そこでお客さまに説明のうえ、不良配線を撤去し、洗濯機のコンセントは別のコンセントから取り直し、再測定をしました。すると漏れ電流、絶縁抵抗値も良好で、当然ビリビリしていたトタンの引き戸でも検電器は鳴動しませんでした。お客さまには、「たまに引き戸でビリビリしていたのは、引き戸を開閉する時に、トタンとむき出しになっている配線部分が接触していたからですよ」と説明しました。安易な電気の素人工事は事故につながる危険があるので、絶対にしないようにお願いして、調査業務を終えました。お客さまからは、「原因が漏電と聞いてびっくりした。電気火災などの事故になる前に発見できて良かった。」と大変喜ばれました。

今回の事案では、問診時に具体的な場所や症状をお聞きし「かもしれない」と予想し、測定したことで早期に不良発見できました。今後もお客さまに問診しながら、「お客さまの言葉」の端々にもしっかりと注意を払い、電気を安全・安心してお使いいただけるよう調査業務に取り組んでまいります。