定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.39お客さまとの対話がヒント

徳島支部 調査サービス課 調査員 三好 勇人

私が調査業務に従事して早や2年5カ月が過ぎました。お客さま対応や電気設備に関する諸問題には、上長や先輩方と相談するなど、日々適確な業務処理を心がけております。

ある日、調査業務をしていたところ、数日前に調査を行い調査完了で処理を行ったお客さまから「定期調査で異常なしとの報告をいただいたが、数日後にエアコンを使用したら漏電遮断機が動作したので再度点検をお願いしたい」との申し出をいただきました。そこでその時に行なっていた定期調査を終え次第、再訪問することとしました。

お客さま宅を訪問し、再調査を実施いたしましたが前回と同様であり、漏れ電流等にも問題はありませんでした。そこでお客さまに動作スイッチの再確認と絶縁抵抗値の測定を実施するために、停電の了解を得ました。まず初めに、エアコンを起動したら漏電遮断器が切れたということでしたので、全てのエアコン回路につき絶縁抵抗測定を実施いたしましたが、異常は認められませんでした。念のため、その他回路も絶縁抵抗測定を実施させていただいたところ、3階照明回路送りブレーカーのアース相が0MΩとなったため、お客さまと3階の照明設備やコンセント回路の点検を実施していると、お客さまが「そういえば、照明器具を使用したところ異音が聞こえ、漏電遮断器が動作したように思われる」と言われたので、照明器具の接続部を点検することといたしました。

該当の照明器具や配線を点検していると、電線の絶縁被覆が削れて芯線が見えている箇所があり、周りの金属部に接触し漏電していると思われるため、テープ巻による処理を実施しました。そして再度絶縁測定を実施すると20MΩと良好な値となっておりました。最後に配線や照明器具を元に戻してもう一度測定を実施いたしましたが、測定値に変化が認められないため改修作業を終了いたしました。

今回は、定期調査終了後に漏電遮断器が動作したため、お客さまから再調査を依頼され不良箇所の発見に繋がりました。日頃の点検においてもお客さまとの対話や問診がヒントとなり、不良箇所等を発見する糸口になる場合も多々あります。お客さまの財産を守る重要な点検ですので、屋内の分電盤の点検や必要な場合の停電へのご協力、ご理解をおねがいします。また定期調査に伺った時には、問診への回答や、日頃電気のことで感じている疑問などがあればお聞かせください。