定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.36「報告・連絡・相談」で解決!

香川支部 坂出事業所 大西 崇之

電気設備の点検・調査のため伺いましたが、初回訪問時にはご不在だったお客さま宅へ、再度訪問した時のことです。

四国電力から委託を受け4年に一度の電気設備の定期調査のため、お伺いした旨をお伝えし、点検しても良いと許可をいただきました。

そこで電力メータの1次側の配線で漏れ電流計による漏電調査を行ったところ、基準1mA以下に対して基準を少し上回る値が出ていましたがIor測定ユニットを使用して測定をし直すと、基準値を下回ったので漏電に関しては異常なしと判断しました。また屋外の電気設備の点検でも、異常はありませんでした。屋内点検については、必要ないとのことでしたので、漏電調査と屋外調査の結果「電気設備調査結果のお知らせ」をお渡しし、定期調査を完了しました。

引き続き隣のお客さま宅へお伺いしましたが、今回もご不在でしたので、漏れ電流測定と屋外点検のみを行いましたが、このお客さまも先ほどお伺いしたお客さまと同様で、漏れ電流計では基準を上回っていましたが、Ior測定ユニットを使用すれば基準値を下回っており、漏電に関しては異常がないと判断しました。

このようなことが続いたので、「どこかで大きな漏電があるのかも」と考えていると、道路を挟んで向かいにあるお客さま宅では、漏れ電流計で基準値を大きく上回り、Ior測定ユニットでも値が下がりませんでした。

漏電調査の結果をお客さまに報告し、漏電の疑いがあるので詳しく点検するために「停電させてください」とお願いしたところ、快諾していただきましたので、「電気設備定期調査(漏電調査)に伴う停電のお知らせ」をお渡しして、停電のご準備をお願いしました。

お客さまの準備が完了したのを確認した後に、停電させて主ブレーカの1次側中性相を利用して各ブレーカの2次側で絶縁抵抗値を測定した結果、基準値0.1MΩ以上に対して基準値を0.11MΩと上回っていました。

しかし「漏れ電流計の値が大きく上回っているのに絶縁抵抗値も基準値を上回ることがあるのか」と考え、測定ミスかもしれないのでもう一度、絶縁抵抗測定を実施しましたが結果は先ほどと同じでした。

そこで上司に相談したところ、四国電力の配電設備にも異常があるかもしれないということで、すぐ四国電力の担当者に連絡を取り、現地にて点検をおねがいした結果、変圧器のB種接地に異常が発見されたため、即日改修工事をしていただきました。

また、お客さま宅の漏電調査についても、改修工事が完了して、絶縁抵抗測定を行ったところ、漏電箇所を特定することができました。

今回の事案では、あらゆる可能性を考えながら点検することや、おかしいと思うことがあれば上司や同僚にすぐに相談することの大切さを実感することができました。こうした経験を生かして、これからの調査業務においても、「報・連・相」を徹底して、より確実で丁寧な業務を行ってまいります。