定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.35不在お客さまへの再調査

徳島支部 調査員 中原 直紀

定期調査業務においては、ご不在のお客さま宅を訪問することも多々あり、再訪問通知「電気設備の安全調査のお知らせ」リーフレットを投函し、お客さまからの電話連絡をお願いしておりますが、ご連絡が無いことも少なくありません。こうした場合は数日後に再訪問を行い、お客さま不在のまま定期調査を実施させていただいております。こうした不在のお客さまにおける不良箇所の処置事例を紹介します。

初回訪問でご不在であったお客さま宅を再訪問しましたが、ご不在のため屋外での目視点検と絶縁確認を行いました。すると漏れ電流が10mAと規定値をオーバーしていました。この場合、停電による不良箇所の調査が必要になります。そこで、再三の訪問や電話をしましたが、連絡がとれません。近隣の方にも、在宅状況を確認しましたが、連絡先等は不明でした。しかし、月に一回程度、親戚の方が清掃に来ているとのことでした。機会をとらえて、再訪問したり、「電気設備の安全調査のお知らせと再度調査のお願い」リーフレットを投函したりしながら、先方からの連絡を待つことにしました。

数週間後、やっとお客さまから電話連絡をいただきましたので、調査内容と日時を打ち合せし、屋内への立ち入りが必要なため、親戚の方立ち会いの下、停電調査による不良箇所の特定をすることになりました。数日後、立会の方に再度作業内容を説明し、停電による絶縁測定を実施すると、分電盤の不良回路が判明し、その使用場所の特定を行うと増築棟でした。立会の方には、増築棟への回路が、漏電しているので、改修終了までスイッチを解放することや不良箇所の早期改修の必要性をお客さまにご説明いただくようにお願いし、要改修通知票をお渡ししました。

数日後、お客さまから不良箇所の改修完了と再調査依頼の電話連絡がありました。また、電気設備のことでご質問があるとのことでしたので、お客さま本人立ち会いの下、再調査を実施しました。その折、お客さまから「今回の調査において色々と手間をおかけした」とのお礼の言葉があり、長期不在時における電気設備の処置に対するご質問がありました。そこで、安全面から不使用回路のブレーカーは解放しておいた方が良いことと漏電遮断器の取り付けを検討していただくよう説明しました。

今回は、不在お客さまのご理解とご協力により一カ月程度で処理をすることができましたが、こうした調査不能状態が長期にわたり、改修処理がなかなかできないこともあります。お客さまの財産を守る大切な点検調査ですので、これからも、電気を安心して安全にお使いいただけるよう、お客さま宅内の分電盤の点検などへのご協力を、粘り強くお願いしていきたいと思います。