定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.34臨時調査での出来事

須崎事業所 調査員 濱田 和夫

今から6、7年前の9月ごろ、臨時調査を実施した時の出来事です。

その時のお客さまは、新築のアパートでしたので不良箇所は「無いだろう」と思っていました。初回訪問時は不在で、再度訪問しましたが、またご不在でしたので、屋外のメーターで漏電測定を行いました。すると、10アンペアが表示されました。「新築なのに、おかしいな。測定間違いかな」と考えながら、2~3回測定をやり直しましたが、やはり間違いなく10アンペアの漏電でした。そこで、アパートを管理している不動産屋に、すぐに入居者のお客さまと連絡を取っていただきました。

早速、お客さま立ち会いのもと、絶縁測定をしたところ、主開閉器である漏電ブレーカーの負荷側は20メグオームありました。「これは、メーターからの幹線が不良か」と考えていましたが、よく見てみると、主開閉器の電源側から温水器への配線がありました。それを測定したところ、0メグオームではありませんか!! そこで、温水器への配線が漏電していることをお客さまに説明し、温水器へ配線している開閉器を「切」にしました。お客さまは、すぐに不動産屋に連絡をとり、改修を依頼してくれました。お客さまの話では、入居してからの電気料金が異常に高額であったとのことでした。

後日、改修完了との連絡を受けて、再調査にお伺いしました。お客さまに、温水器への配線の不良箇所は、何処だったかをお尋ねしました。すると、アパートを新築した後に、屋外の温水器を移動し、配線し直した時に、接続ボックス内でジョイント部分が鉄枠に接触していたため、漏電していたとのことでした。なんと、10アンペアの漏電がずっと続いていたわけです。それにもかかわらず感電事故や火災にならなくて本当に幸いでした。

この事例では、新築でも不良箇所は「あり得る」ということを身に染みて感じ、今後は「無いだろう」という先入観を持たずに臨時調査を実施して行こうと思いました。