定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.32はじめての漏電回路特定で充実感

香川支部 調査サービス課 調査員 鎌倉 秀貴

入協して1年半が過ぎ、ようやく調査業務にも慣れてきた今日この頃です。

それは入協して3カ月ほどたった頃のことでした。ある住宅街を調査していた際、一軒の大きな住宅を訪問しました。しかし、その日、お客さまはご不在でしたので、「電気設備の安全調査のお知らせ」のリーフレットをポストに入れて、予定どおり他のお客さま宅の調査に向かいました。

その数日後、2度目の訪問をしましたが、またお留守でしたので、外にある電力メーターでIo(漏れ電流)測定を行いました。すると5mAほどの漏れ電流がありましたが、Ior(抵抗分漏れ電流)もほぼ同じ値でしたので、「電気設備調査結果のお知らせと再度調査のお願い」(※)のリーフレットをポストに入れ、ご連絡があるのを数日待ちました。しかし、一向に連絡がありませんでした。お客さまとご連絡が取れないというのも、業務に就いて初めてのことでした。電話番号も電話帳に記載されていなかったので、2度ほど再調査依頼リーフレット(※)を入れておきました。すると後日連絡があり、調査の日時をご指定いただいたので、ようやくお客さまと面会することができました。漏れ電流の原因を突き止めるため、初めて一人での漏電調査に緊張しながら、分電盤を見させていただきました。大きな分電盤の中には、ブレーカーと配線がびっしりありました。なるべく停電させずに不良箇所を特定しようと、ブレーカーごとに配線Ioを測定していきました。すると、一つのブレーカー回路だけがIoが大きく、その回路はガレージの電気設備用の配線でした。お客さまのご了解をいただき、その回路を停電して絶縁抵抗を測定してみると0.02MΩで、規定値(0.1MΩ以上)を下回っていました。なんとか無事、漏電回路を特定できましたので、お客さまにその調査結果を説明し、至急電気工事業者に改修していただくようお願いしました。

後日お客さまより、改修完了のご連絡があり、再調査のため訪問して、測定してみると良好になっていました。漏電原因は、ガレージ内にある照明設備の老朽化でした。「漏電がわかって、大事に至らなくて本当に良かった」とお客さまに喜ばれました。

漏電回路を特定でき、お客さまに喜んでいただけたことは、調査員になって初めて味わった最高の充実感でした。これからもお客さま目線でわかりやすい説明に心掛け、安全に安心して電気を使っていただけるよう、細心の注意と緊張感を持って調査業務を遂行していきたいと思います。

用語説明

「電気設備調査結果のお知らせと再度調査のお願い」:絶縁良否を判断する漏れ電流値が異常(1mA超過)の場合、お客さまに停電による絶縁抵抗測定をお願いする内容を記載したリーフレット。