定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.27お客さまへの問診で、設備不良を発見!

徳島支部 調査員 三好 勇人

調査員として業務をはじめて数カ月、色々な問題に出くわし、その都度戸惑いを感じつつ、上長指導の下、先輩や同僚のアドバイスをもらいながら、調査業務を行っております。

そんな日々の中、あるお客さまを定期調査で訪問した時のことです。訪問の趣旨説明を行い、ご主人の立ち会いのもと調査業務をはじめました。

まずは、屋外の引き込み線の点検と電力メーター部分での漏電調査を行い、次に屋内の分電盤の配線や過熱の有無につき点検を実施したところ不良箇所は、ありませんでした。そこで、調査結果をお知らせし、電気安全パンフレットをお渡しながら「その他に電気を使用していて、気になることや調子の悪い箇所はございませんか」とたずねたところ、ご主人は、「実は、使用できなくなったコンセントがあるので、ぜひ見てほしい」とのことでした。

そこで、ご主人の案内で、その指摘のコンセントのある部屋に入り、状態を見ると、コンセントカバーは壊れ、コンセントも過熱により焼損しており、使用できるような状態ではありません。ご主人によると「電熱器など容量の大きな電気機器を使用していたが、差し込み部分の変色や異臭があり、またブレーカーがしばしば切れることもあって、最近では使用を控えていた」との事でした。

このままでは、電気火災事故に発展する恐れもある危険な状態です。ご主人には、「このまま放置していると、コンセントの発熱や充電部の露出で電気火災を起こす恐れもあるので、使用の有無に拘わらず、早急に電気工事業者に依頼して、撤去するか改修を行ってください」とお知らせしました。屋内への立ち入り許可をいただいたので、他にも不良なコンセントが無いか、また屋内配線や機器の点検も実施いたしました。その他には異常等はありませんでした。電気安全のポイントや家庭でもできる電気設備の点検方法なども説明し、調査を終えました。

数日後、お客さまより「知り合いの電気工事業者に、コンセントを取り替えてもらった」との連絡をいただいたので、再調査を実施するために訪問し、改修状況を確認しました。お客さまからは、「見てもらったのがきっかけで早期改修ができ、電気火災にならずに良かった」と喜んでいただきました。今回のことで、私自身、現場での問診やお客さまとの対話の重要性を再認識するとともに、屋内点検の大切さをお客さまにも理解していただくことができました。

今後も色々な状況や問題に遭遇すると思われますが、お客さまと充分なコミュニケーションをとり、調査業務がお客さまの大切な財産を守る重要な業務であることを認識していただいたうえで、屋内点検へのご協力をお願いし、「誠実・的確」な調査業務により、不良箇所の早期発見と迅速な処理に努めていきます。