定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.25受託検査で対地電圧の異常を発見!

愛媛支部 調査サービス課 坂本 道頼

年程前に独り暮らしの高齢者宅の定期調査を実施し、漏れ電流値0.3mAかつ目視点検結果で異常はありませんでしたが、後日、自宅の近所で火災があったことを知った東京在住の息子さんから、漏電での火災が心配なので、漏電していないか調査(受託検査)をしてほしいとの依頼がありました。

早々、依頼のあったお客さま宅に訪問して、屋外ブレーカーで絶縁抵抗測定を実施して異常はなく、送電後の線間電圧にも異常はありませんでした。

漏電の心配はないことを息子さんに報告して調査は終わりましたが、何気なく検電したところ、中性線が検電器で鳴動するではありませんか。

対地電圧を測定したところ、※赤相20V、白相80V、黒相180Vあり異常な対地電圧となっていました。

※正常時対地電圧(単相三線式の場合)  赤相 100V、白相 0V、黒相 100V

同じバンクの何れかのお客さまが漏電して、対地電圧が異常になっているのではないかと思いつつ、付近を見渡したところ、このお客さまの引込線がトタン屋根に接触している箇所を発見しました。

まさかとは思いましたが、接触している箇所を絶縁棒で離してみると正常な対地電圧となりました。

早急に電力へ不具合箇所の改修をお願いするとともに、お客さまには引込線に不具合箇所があるので電力へ改修依頼したことをお伝えして、退去しました。

因は、強風により引込柱側の支持金具が外れて引込線の張りが緩んだことですが、定期調査時には、引込線にかかわらず屋内架空線についても、他物との離隔距離に注意して点検するとともに、検電器による鳴動確認も習慣化する必要があることを実感しました。