定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.24おもわぬ影響

香川支部 調査サービス課 調査員 中條 利彦

入協2年目で、調査業務にも慣れてきた頃のことでした。
ある住宅街を定期調査で訪問していました。そのうちの1軒のお客さま宅で、定期調査の承諾をいただき、漏れ電流を測定したところ、電流が1mAを超えていました。そこで、絶縁測定を行うため停電が必要な旨をお客さまにお話し、承諾していただきました。まず、単相3線式の中性相を使って絶縁測定を実施しようと絶縁抵抗計の測定端子を当てると絶縁抵抗計の表示部に数十ボルトが表示されました。しかし、他の接地極を使用して絶縁抵抗測定をしたところ測定値は良好でした。そのことがとても気になり、お客さまに問診し、屋内の点検をしましたが、異常は見つかりませんでした。お客さまには、点検結果を報告し、すこし腑に落ちないままそのお宅を後にしました。

次に、その隣のお客さま宅へも定期調査のため訪問しました。承諾を得て、漏れ電流を測定すると800mAあったため、お客さまに停電の承諾をいただき、絶縁測定をすると0MΩでした。不良箇所を特定するため調査したところ、深夜電力用回路が絶縁不良と判明しました。お客さまには、状況を説明し、至急電気工事業者に修理していただくよう改修のお願いをしました。

数日後、お客さまから改修完了のご連絡がありましたので、再調査のため訪問して漏れ電流を測定すると、測定値は1mA以下の良好値でした。お客さまから、「深夜設備用の送り幹線に釘が刺さっていたため修理をした。漏電箇所を発見でき重大事故にならずに済み良かった」と大変喜ばれました。

その際、この前の定期調査の折、気になっていた隣のお客さまの漏れ電流を測定してみると良好値になっていました。不思議に思い、同僚にこれらの状況を説明したところ「電力柱上の同じ変圧器から電気が送られているお客さまで漏電があると、他のお客さまに影響がでることがある」とアドバイスをもらいました。このような経験は稀だと思いますが、これからもいろいろと経験を積み、お客さまに電気を安心して使っていただけるように日々業務に取り組んでいきたいと思いました。