定期調査時の体験談

調査業務における体験談 vol.23お客さまに安心して電気をご使用いただくために

徳島支部 調査員 天羽 徹

前職場での電気知識や保安経験を生かして、現在はお客さま電気設備の安全調査をしております。

私の調査業務における体験談として、分電盤内の主開閉器を点検した際に発見したカバー付ナイフスイッチ(CKS)の過負荷事例について紹介します。
お客さまに調査予告日のご案内をしたところ、当日での調査のご協力をいただきました。調査に伺いますと、お客さまから一言、「家屋が古いため、悪いところがあれば言ってください」とのことでした。

屋外点検では、引込口幹線、計器取り付け箇所の状態および漏れ電流の測定値0.37mAと良好でした。次に屋内点検を実施するにあたり、「屋外点検は良好」の旨お伝えし、お客さま立ち会いのもと問診をしながら分電盤に向かいました。分電盤の扉を開けたところ、主開閉器は「カバー付ナイフスイッチ(CKS)」で、そのスイッチカバーの熱による変色を確認しました。放射温度計を使用してスイッチ端子部の表面温度の計測をしましたが、異常はありませんでした。原因を追究するため問診を続けると、ガス調理器から取り替えした電気IHクッキングヒーター(卓上型)や電子レンジなど消費電力の大きい電気機器を使用されており、近年における使用電力量の大きい電化製品の普及により、現状の電気配線設備では、対応ができない状態になっていることが判明しました。お客さまに、このまま使用すればスイッチのヒューズが容量オーバー(過負荷)で、溶断して停電する恐れがあることと、停電すればヒューズ取り替えとなり、電気工事店に依頼することが必要になることを伝えました。また、お客さまの電気設備や使用状況に適した配線設備に改修するよう電気工事店に相談されるようお勧めしました。なお、漏電遮断器の必要性についても合わせてご説明したところ、「安心して電気を使いたいので、電気工事店を紹介してほしい。」とのことで、早速、電力の内線保守センターに取り次ぎしました。

数日後にお客さまから設備改修完了の連絡をいただき訪問すると、「カバー付ナイフスイッチ(CKS)」から漏電遮断器への取り替えおよび引込口幹線取り替え等の改修がされておりました。そしてお客さまから、「これからは電気を安心して使えます。ありがとうございました。」との感謝のお言葉をいただきました。 今後とも、お客さまに安心して電気をご使用いただくため、的確な調査業務を行い、電気相談への親切、丁寧な説明や適切な助言等の徹底を図っていきます。