電気事故に学ぼう

電気事故に学ぼう88予定外作業による感電事故事例

電気事故報告は、電気に係る保安の確保のために欠くことができないものであり、その内容の分析に基づいて、類似の事故の再発防止策を講じるとともに、電気工作物の安全性の確保、信頼性の向上等のための施策を検討しています。
今回は、電気主任技術者が電気室での作業を事前に知らされていなかったために適切な保安監督を実施していなかった「感電事故」事例を紹介します。
なお、今回紹介する事故については、被災者は入院に至らなかったため事故報告対象外となっています。
「感電事故」とは、充電している電気工作物や、当該箇所からの漏電または誘導によって充電された工作物などに体が触れたり、あるいは電気工作物に接近して閃絡を起こしたりすることで、体内に電流が流れ、または、アークが発生し、直接それが原因で死傷(アークによる火傷等も含む)した事故または電撃のショックで心臓麻痺を起こしたり、体の自由を失って高所から墜落したりすることなどにより死傷した事故のことです。
感電などのその他電気工作物に係る死傷事故は、法目的である「公共の安全の確保」の観点から重要なものであることから、報告を求めるものです。

中国四国産業保安監督部 四国支部 電力安全課

事例

使用電圧 6,600V
設置場所 需要設備
事故点の電圧 6,600V
主任技術者の選任形態 外部委託
事故発生月 6月
供給支障電力・時間 -
事故発生の電気工作物 LBS2次側
事故原因 作業者の過失
経験年数・年齢
天候

事故概要

設置者の職員と出入り業者の社員が、電気主任技術者に事前に連絡せずに電気室に保管中の低濃度PCB含有機器(変圧器、油入開閉器)搬出のため事前確認している時に、キュービクルの充電部(LBS2次側)に接触し感電した。

事故原因

電気主任技術者に事前連絡せず電気室に入り、作業を行ったことが原因。

再発防止対策

キュービクルや電気室の扉を開け作業等を行う場合は、必ず事前に電気主任技術者へ連絡し、できる限り電気主任技術者が確認のうえ作業を行うこと。

高圧交流負荷開閉器(LBS)の事故点

事故発生電気工作物

感電死傷事故に関する注意喚起

2022、2023年度夏季(7~9月)に発生した全国の感電死亡事故8件全てについて、電気主任技術者が工事や保守点検作業の実施を事前に知らされていなかったために、適切な保安監督を実施できていなかったことが分かっています。このため、特に下記の点に留意いただき、感電死傷事故の防止に努めていただくよう、改めて注意喚起いたします。

設置者の皆さまへ

電気事業法第43条第5項に基づき、電気設備に関する工事などについては、電気主任技術者の監督のもと、作業を行う必要があります。このため、必ず工事等の実施前に、設置者自身が電気主任技術者に連絡するか、工事業者に対して電気主任技術者に連絡を入れるよう依頼ください。また、電気主任技術者に無断で電気室やキュービクルに入室しないでください。その上で、以下のような工事などでも、事故やヒヤリハットが起きていますので、念のため、工事などに先立ち、電気主任技術者への連絡をお願いします。

  • ・エアコンやエレベーターに係る工事など、通常は電気室やキュービクルでの作業を伴わない工事など(本来はキュービクル外の電源に接続すべきところ、それが見つからず、キュービクルを開けてしまったなどの事例あり)
  • ・設備や建物の塗装工事、外壁工事など足場やクレーンを使用する工事、地面の掘削を伴う工事など、一見、電気に関連しない工事など(高圧の引込線のすぐ近くに、工事作業のための足場を立ててしまい、そのまま作業すると高圧線に触れかねなかったなどの事例あり)
  • ・工事などの実施に先立つ下見作業など(保守点検作業の下見のために、キュービクルを開けてしまい、充電部に触れて感電したなどの事例あり)

出典:経済産業省 感電死傷事故に関する注意喚起
(https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2024/06/20240628-1.html)